ロスト・ドーター
- 2022/01/15
- 22:25

2021 121分 アメリカ
Netflixより
久しぶりにとても面白い映画を見ました。しかし本作は万人向けではありません。不穏なヒューマンドラマが好きな人には興味深いでしょう。本作は子育てにトラウマがある人が見ると辛いと思います。私はそうなので辛かったですが、ここに登場する女性たちの気持ちは全てではないけれど分かる気がしました。男性が理解するのは?どうでしょう。難しいかもしれませんね。
レダ(オリヴィア・コールマン)は休暇先である母子を見ているうちに過去の自分が甦りトラウマに苛まれてゆきます。物語は現在とレダの過去がリンクしながら進みます。そこがとても興味深い。彼女の人生が浮き彫りになります。母子の一族がいわく付きの人たちで、レダと一族とは初めから不穏な空気が漂うのですが、そこにレダの過去のトラウマが重なり、より不穏になっていくという内容。そこに現地でバイトをしている若者とレダが宿泊しているホテルの管理人のおじさん(お爺さんかも)が絡みます。それがまたいい感じです。ホテルの管理人はエド・ハリスですが珍しく普通のおじさんの役をそつなくこなしていて、とても良い感じです。しかしなんと言ってもオリヴィア・コールマンの演技が見事です。忘れた筈の過去が甦り大きく波打つ心を繊細且つ大胆に演じていました。母子の母役がダコタ・ジョンソンなのですが普段の彼女のイメージとは全く違ってびっくりだった😮女優って凄い。
印象的だったのは過去シーンで果物の皮を剥くシーンが沢山出てくるのですが、レダの娘たちが蛇の様に長く剥いてと言うのです。これはアダムとイブと蛇のメタファーでしょうね。失楽園の象徴?
レダと関係のある男性にピーター・サースガードが出てきましたが、見終わってから気づきました。これは監督のマギー・ギレンホール関連なのですね。しかしマギー・ギレンホールやりますね。とても素晴らしかった👏👏人形の使い方とか若干ホラー入ってたけど実にリアルでした。
ラストはちょっとどうなのかなと思いましたが。あれがもしリアルならあんなことをしていられない筈なので。そして最後にまたあれが登場。それの意味するところは?
とりあえずとても面白かったです。
本作を見て思い出したのがパリへの逃避行。やはり育児にもがき苦しむ女性の話です。☆☆ネタバレ注意☆☆主人公の女性は最終的に子供と離れることを選びます。「私母性が無いの」と言っていたレダと重なりますね。レダは子供たちと離れていた期間は「最高だった」と言っていたのがぶっ飛びましたが😮そのくらい子育てというのは死闘ですね。見る人によって様々な感慨があると思います。
★★★★★★★★★