タミー・フェイの瞳
- 2022/03/01
- 21:30

U-NEXTより
オスカーにノミネートされているなんてことは全く知らずに、伝記が好きなのでそれだけで見たのですがとても面白かったです。タミー・フェイの存在を知らなかったので先入観無く楽しめました。
ジェシカ・チャステインの演技が圧倒的に素晴らしく、これはオスカーに値すると思いましたが実際に主演女優賞にノミネートされていると知りました。私は他に主演女優賞にノミネートされている作品は『ロスト・ドーター』を見ており、主演のオリヴィア・コールマンの演技もとても素晴らしかったですし、他作品は見ていませんがそれでも。私がアカデミー会員なら迷わずジェシカさんに投票します。演技も素晴らしいですが彼女は歌が上手いんですよね‼️ホストとしても歌手としてもTVショウやステージでのパフォーマンスの臨場感、一人の女性としての喜怒哀楽の表現が見事でした。感動しました。
なんとも波瀾万丈な人生でしたが個人的に印象的だったのは神様と遭遇した場面ですね。お母さんが教会で働いていたのでちょこちょこ教会を覗いていた。お母さんには来ることを止められていたがある時忍び込んだ。その時に神から啓示を受け神の道に進む。紆余曲折の後伝導者として成功したが、公私共に常軌を逸してゆき、同業者の裏切りにも遭い栄光は失墜していく。
本作を見て思ったのは生きるのも死ぬのもしんどいなあということです。最晩年の病気で余命幾ばくもない状態でラリー・キング・ライブに出ているタミー本人の動画を動画サイトで見てその感が強まりました😢💔その時のタミーはシンプルに受け答えをしていて、根は純粋な人であるという印象を持ちました。でも野心を持つ人というのは博打的な人生になりやすいのかもしれませんね。もうこの世にタミーもいないしラリー・キングもいないし(ラリー・キングはこの間までTVに出ていたような感じがするんだけど)。人生というのはあっという間だと動画を見ていて思いました。タミーは65歳で早かったですが、この作品を見る限りでは人の何倍も生きた様な気がします。
タイトルの『タミー・フェイ』の瞳の意味するところはタミーのアイラッシュだと思います。マスカラを何十回もつけた様な睫毛です。冒頭のシーンでメイクさんに「これを取ったら私じゃないから」と言っていました。彼女の象徴だったのですね。本作はメイクもとても話題の様でメイク部門で各映画祭にノミネートされたり受賞したりしている様です。ジェシカの夫役のアンドリュー・ガーフィールドの年代ごとのヘアスタイルもよくできていました。個人的にはタミーの衣装も面白かったです。時代感がよくでていました。画面も昔のブラウン管のTV画面の様な古い感じを再現している演出がいい感じでした。
ファッツ・ドミノは世代じゃないのでよく知らないけど勉強になりました。
私は聖書は殆んど知りませんが詩編を読むと救われた気持ちになります。タミーが劇中で引用していたのを聞いて癒されました。
ヒューマンドラマが好きな方にはお勧めします。
是非ジェシカさんにオスカーを獲って欲しいです‼️
★★★★★★★