アイダよ、何処へ?
- 2022/03/14
- 14:29
2020
ボスニア・ヘルツェゴヴィナ / オーストリア / ルーマニア / オランダ / ドイツ / フランス / ノルウェー / トルコ
101分
「サラエボの花」「サラエボ,希望の街角」のヤスミラ・ジュバニッチ監督が、ボスニア紛争末期に起きた戦後欧州最悪の残虐行為と言われる“スレブレニツァの虐殺”を描き、アカデミー賞国際長編映画賞ノミネートをはじめ数々の映画賞に輝いた衝撃のドラマ。通訳として国連保護軍に協力してきた女性を主人公に、敵対するセルビア人勢力に街を支配され、避難場所を求めて国連施設に市民が殺到する中、家族の命を守るために懸命に奔走する姿を描く。主演は「バーバリアンズ セルビアの若きまなざし」「鉄道運転士の花束」のヤスナ・ジュリチッチ。
ボスニア東部の街スレブレニツァ。ボスニア紛争末期の1995年7月、ムラディッチ将軍率いるセルビア人勢力は、国連が安全地帯に指定していたこの街への侵攻を開始、たちまち制圧してしまう。やがて避難場所を求める2万人の市民が国連施設に殺到するが、ゲートの中に入れたのはごく一部で、周囲はあふれた人々で混乱状態に。そんな中、国連保護軍の通訳として働くアイダは、夫と2人の息子を施設内に招き入れるためにあらゆる手を尽くす。やがて避難民の引き渡しを要求するムラディッチ将軍に対し、軍事力で圧倒的に劣る国連軍は為す術もなくほとんど言いなりとなってしまうのだったが…。
ボスニア東部の街スレブレニツァ。ボスニア紛争末期の1995年7月、ムラディッチ将軍率いるセルビア人勢力は、国連が安全地帯に指定していたこの街への侵攻を開始、たちまち制圧してしまう。やがて避難場所を求める2万人の市民が国連施設に殺到するが、ゲートの中に入れたのはごく一部で、周囲はあふれた人々で混乱状態に。そんな中、国連保護軍の通訳として働くアイダは、夫と2人の息子を施設内に招き入れるためにあらゆる手を尽くす。やがて避難民の引き渡しを要求するムラディッチ将軍に対し、軍事力で圧倒的に劣る国連軍は為す術もなくほとんど言いなりとなってしまうのだったが…。
allcinemaより
スレブレニツァの虐殺について勉強してから見ました。
冒頭にも字幕で出ていましたがこれは実話ベースなのですよね。登場人物(アイダと家族)はフィクションですが、実際に現場で通訳として働いており、家族を失った方の著作が原作だそうです。
本当に悲惨な話。その一言につきます。見ていてナチスのホロコーストと変わらないと思いました。最後の日々というホロコーストサバイバーのドキュメンタリー映画を思い出しました。この作品の中に出てきた女性の話を思い出しました。家族でアウシュビッツに送られてその後家族がバラバラになりましたが、一度だけ偶然お父さんと会いました。すれ違っただけなのでお互い短い時間見つめあっただけでしたがその時のお父さんの表情が忘れられないと。それがお父さんに会った最後になりました。
本作にこの話を思い出すシーンがあったのです🙇一番忘れられないシーンになりました。
アイダのことを身勝手だと思ったというレビューが幾つかありましたが、自分がアイダだったら誰もが同じ行動を取ると思います。なので私は彼女を身勝手とは思いませんでした。逆に気の毒に思いました。何故か『ドント・ルック・アップ』の結末を思い出してしまって。皮肉も混ざっていましたが結局優先される命はVIPだけ。市井の人たちは助からないのです。
本作の一番衝撃的なのは最終盤だと思います。何とも皮肉なシーンが幾つかあります。戦争というのは如何に愚かなものかということを象徴している様に思います。それにしても私がアイダだったら心神喪失状態だと思うのでアイダは本当に立派だと思いました。でも彼女の気持ちは分かる気がしました。本当に大切なことを次世代に伝えること。流れた血、失われた命の重さを身をもって伝えること。
今この時期にこういう作品を見るというのはとても辛いものがありますが、今だからこそ見るべきだと思って見ました。この作品を見てスレブレニツァで何が起きたのかということを理解できて良かったです。本作はスマホで見たのですが、見ている間にスマホの画面にウクライナ情勢のニュースの見出しが入るのです。強い憤りを感じました。何故どれだけ時が流れても、沢山の血が流れても地球上から戦争が無くならないのかと。
★★★★★★★★