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ベルファスト

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2021       98分  イギリス

「から騒ぎ」「オリエント急行殺人事件」のケネス・ブラナー監督が故郷ベルファストを舞台に、自身の幼少期を投影して描いた自伝的ドラマ。分断による暴力の嵐が吹き荒れる中、それでも変わらぬ家族の愛に包まれて暮らす9歳の少年の目を通して、激動のベルファストと家族の絆をペーソスとユーモアを織り交ぜ郷愁あふれるモノクロ映像で描き出していく。主人公の少年役は本作が映画デビューとなる新星ジュード・ヒル。共演にカトリーナ・バルフ、ジュディ・デンチ、ジェイミー・ドーナン、キアラン・ハインズ。
 1969年、北アイルランドの首都ベルファスト。ここで生まれ育った9歳の少年バディは、愛する家族と大好きな映画や音楽に囲まれ、楽しい日々を送っていた。ところがある日、暴徒化したプロテスタントの若者が、カトリック系住民への攻撃を開始した。以来、同じ街で平穏に共存してきたプロテスタント系住民とカトリック系住民の対立は激しさを増し、次第に街は暴力と恐怖に覆われていく。バディと家族にも危険が迫り、父親はロンドンへの移住を計画するのだったが…。



allcinemaより

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最寄りの映画館には来ませんでしたが、もう上映終了と知り、是非観たかった作品なのでイマイチ体調不良でしたが行ってきました。

冒頭の港町の風景。カラーから塀の向こうがモノクロに変わるシーン。多くの人がレビューで触れていますが、印象的な演出です。続く街中の平和なシーンから一転、暴動シーンで驚き胸が痛くなりました。『アンタッチャブル』(昨年映画館で観ました)の序盤のバーのシーンと同じ様に😣紛争のあるところには犠牲者が出ます。ウクライナが脳裏に浮かびます。そして港を進む船のシーンを見ると、今はどうしても知床の事故を思い出してしまいます。不条理な世の中です。

私はケネス・ブラナーと同世代なので(少し下ですが)、自分がバディの歳の頃を思い出しながら見ました。そしてしみじみ思いました。自分の子ども時代はなんて平和で幸せだったのだろうと。自分が暮らしていた街には紛争のふの字も無く、衣食住も不自由なく(トイレは家の中にありました😆でも母の実家は外にあった!)学校も安全に通い。とても平和で幸福でした。


本作。キュアロンの『ローマ』。最近見たものではソレンティーノの『ハンド・オブ・ゴッド』。故郷と当時の自分。家族への感謝と郷愁、深い愛は誰でも同じであると実感します。本作はオールド映画、音楽ファンが見るとケネス・ブラナーの映画と音楽への愛が溢れていてツボが沢山あると思います。私はバディ少年がサンダーバードの隊員の制服がとても似合っていたのと、『真昼の決闘』がツボでしたかね。お祖母ちゃんが「ここからシャングリラへは行けない」と言った時の表情とシチュエーション(バス🚌)も忘れられません。あとお祖父ちゃんのお葬式の日の両親のダンス。素敵すぎました。

若い人が見ると懐かしさも無いだろうし、ジェットコースタームービーの展開を望む人にはストーリーは地味で特に中盤が平坦なので退屈かもしれないですね。ケン・ローチ的な労働者階級の苦労しながらも頑張って生きる家族のバラードが好きな方にはヒットするのではと思います。あとやっぱり役者が良かったと思います。両親、祖父母は勿論ですが、個人的にはバディ役の男の子が秀逸だったと思います。『ニュー・シネマ・パラダイス』の男の子の様にあの屈託の無い表情を一目見るとぐっと惹きつけられて離れられません。因みにケネス・ブラナーはWikiによると弟と妹がいるとなっていたのでそこは映画とは違うのだなと。お兄ちゃん役の子も良かったですね。


最近見た家族の物語と言うとやっぱり『コーダ』が良かったですが、本作もとても良かったです。でも紛争が背景にあるのでそこがやっぱり重いですね。

☆★ネタバレ注意☆★

私はてっきりお父さんが死んでしまうのかと思っていたのです。紛争の犠牲になって。でもお母さんと子どもたちで逞しく生きていくのかなと想像していました。そうでなくて良かったです😢

映画館で観れて良かったです。



★★★★★★★☆





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