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メタモルフォーゼの縁側

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2022  118分  日本

BL漫画をきっかけに孤独な女子高生と老婦人が出会い、純粋な友情を育んでいくさまを描き評判を呼んだ鶴谷香央理の大ヒット漫画を「星の子」の芦田愛菜と「マルサの女」の宮本信子の主演で実写映画化。好きなものを語り合えることで年の差を超えて心を通わせていく姿を優しく丁寧に見つめていく。共演は高橋恭平、古川琴音、生田智子、光石研。監督は「映画 妖怪人間ベム」「青くて痛くて脆い」の狩山俊輔。
 冴えない高
校生活を送る17歳の佐山うらら。ある日、バイト先の本屋で、BL漫画を堂々と買っていく老婦人、市野井雪と出会う。夫に先立たれ、孤独な毎日を送る雪は、BLの意味も知らぬまま、きれいな表紙に惹かれて思わず手に取っただけだった。ところが、BLという初めての世界に戸惑いつつも、すっかり魅了された雪は再び本屋へ向かい、BLに詳しいうららと意気投合する。大好きなBL漫画について熱く語り合い、友情を育んでいくうららと雪だったが…。


allcinemaより


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原作は知りませんでしたが、ストーリーに興味があったのと、とても評判が良いので観てきました。

とても良かったです。大変和みました。嫌な人が一人も出てこなくて嫌なシーンが一つも無いという今時珍しいとても幸福な作品でした。一部現実では有り得ないだろうというシーンもありましたが(雪さんとあの人との遭遇など。そもそもいきなりお婆ちゃんにお茶に誘われて行きますか?)、漫画がテーマですし✨完璧な一日✨になる為にはこういう展開も必要なので有りかと。

宮本さん演じるお婆ちゃまが大変可愛らしく、こういうお婆ちゃんになれたら素敵だなあと思いました。一番感動したのは雪さんとうららちゃんの友情です。二人は二人でいるととてもハッピーになれる。うららちゃんは学校では素になれないけど雪さんといると立て板に水の如く興奮が止まらない(二人とも😆💕)。只話が盛り上がるだけではなくてちゃんとお互いのことを思いやれる。本当に素敵な二人でした。特にコミケのイベントは雪さんは体力的に無理だと判断したうららちゃんはとても良くできた優しいお嬢さんだと感心しました。

雪さん宅の佇まいもポイントでしたね。今時縁側がある家は無いですね。うちの地域では全く見かけません。雪さん宅の後ろにビルが見えましたが、雪さん宅だけ昭和のまま時が止まっている。そこに立ち寄る人たちを和ませてくれる。そんな印象でした。実際あの縁側でうららちゃんの世界は変わった。正に✨メタモルフォーゼの縁側✨でした。

観ていて色々なことを思いました。私は年齢的には雪さんの方が近いので、私も老後に一緒に住もうと言ってくれる娘が欲しかったとかそういうことも思いましたが😅うららちゃんを見ていて、私もあの歳の頃に何か熱いことをしてみるべきだったなあと。何も考えずに生きていました。

『あの頃。』を観た時も思いましたが、共通の趣味を通じて知り合った人とは友達になりやすいですが、その趣味をやめると疎遠になってしまいます。あとやっぱり年齢が離れていると親密にはなりにくいですね。でもこの二人を見ていて思ったのはお互いに心を開くことが一番大切なのだと。彼女たちはお互いに心を開いた。そして親友になった。そしておそらくは相性も良かったのだと思います。ずっと親友でいて欲しいと思うとても素敵な(そして羨ましい)二人でした。二人の友情に拍手です👏👏👏✨✨✨(*^o^)/\(^-^*)✨✨✨


劇中に二人が好きなBL作品の幾つかの場面がフィーチャーされているのですが、それが現実とリンクするシーンがとても良かったです。「完璧な一日」のシーンは構図的に(もうその前に)分かってしまいましたが、やっぱり良かったです。私の「完璧な一日」は何十年前のことだろう('_'?)(遠い目(  ̄- ̄))と思うおばさんにも彼女たちのミラクルに希望を感じました。



本作を観ていて『37セカンズ』と重なりました。シチュエーションは違いますが(母子家庭のところは同じ)若い女性が自分のやりたいことを形にする為に奮闘し、それをサポートしてくれる人がいて(それぞれ年上の女性と若い男性というところも同じ)、未来に向かって一歩踏み出すというところが共通していました。彼女たちが好きなものが漫画というところも同じです。
共に素晴らしい作品で大好きです。
うららの幼馴染みの男の子、本当にうららの良き理解者でこの二人もまた素晴らしい親友でした。コミケ会場のシーンは泣けたなあ😭💘


『極主夫道』に続いて今年2本目の漫画が原作の映画でした。漫画が原作の映画は近年観たものは他に『きのう何食べた?』ですが、原作は読んではいませんが、どれもほっこりできる作品でした。それに反して小説が原作の映画は『余命10年』や『流浪の月』など基本的に悲しいものが多いような気がします。たまたまとは思いますが。


★★★★★★★★


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三匹のにゃんずと地味に暮らしています。
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