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ブルー・バイユー

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2021   118分 アメリカ

韓国系アメリカ人のジャスティン・チョンが監督・脚本・製作・主演を務め、アメリカの移民政策に翻弄されるある一家の運命を描いたドラマ。共演に「リリーのすべて」のアリシア・ヴィカンダー。韓国で生まれ、幼い頃に養子としてアメリカにやって来たアントニオ。今はシングルマザーのキャシーと結婚し、連れ子のジェシーと3人で貧しいながらも幸せな日々を送っていた。ところがある日、スーパーで買い物をしていた3人はキャシーの前夫で警官のエースとその相棒に出くわし、アントニオは理不尽に逮捕されてしまう。やがてアントニオは、30年前の養子縁組の際の手続きに不備があることが発覚し、国外追放命令を受けてしまうのだったが…。


allcinemaより






とても良かったです。主人公のアントニオは韓国生まれで子供の時に養子縁組され、アメリカに30年以上住んでいるにも関わらず、養子縁組の際にきちんとした手続きがとられていなかったとして強制送還させられてしまうというストーリーなのですが、私はこの映画を見るまでそういう人が沢山いるということを知らず(本編の最後に実際にアントニオと同じ立場の人たちが紹介されています)、驚くとともに勉強になりました。強制送還させられるのは例えば貨物船などに乗って不法入国した様な人たちなのだと思っていましたが、こういう人たちもいるのですね。本人は養子に迎えられて正規にアメリカ国籍になったと思っていたら実は不法移民の扱いだったというのが晴天の霹靂ですよね。よく分からないのですが、それまではソーシャルセキュリティーナンバーもあって普通にアメリカ人として暮らしていたのが逮捕をきっかけに取り消されるということですか?養子縁組の手続きの不手際は本人にはなんの責任も無いのに理不尽な話ですね。アントニオは前科があったことも窮地に立たされてしまう原因でしたが、彼の場合はアメリカに来てから里親の元をたらい回しにされ、里親から虐待されたことから非行に走ってしまったという過去がありました。赤ちゃんの時から実母に溺死させられそうになったりと大切にされていなかったのでとても因縁深い運命の人です。唯一の救いだったのはチャンの家族は問題がありながらも愛し合っていたことです。特にジェシーが実父よりもアントニオを愛しており、アントニオもジェシーをとても大事にしていて二人の絆が素敵でした。それ故家族崩壊の危機は端から見ていてもとても辛いものがありました😢💔

ジャスティン・チョンも良かったですが、とにかくアリシア・ヴィカンダーの演技が素晴らしく、名女優だなあと感動。子役の女の子もとても素晴らしかったです。

Blue Bayouとは青い入り江という意味で、劇中でキャシーが歌う曲のタイトルでもありましたが(実際にアリシア・ヴィカンダー本人が歌っていてなかなか良かった)、そのパフォーマンスを聴いていて曲に聞き覚えがありました。でも誰の曲か分かりませんでした。エンドクレジットでロイ・オービソンの曲だと分かったのですが、私の記憶にあったのは彼のバージョンではなかったので、調べてみたらリンダ・ロンシュタッドのバージョンだったのを思い出し、温故知新でした。

この入り江というのはアントニオの秘密の場所(水辺)と彼のお母さんへの恋慕とがリンクしており、キャシーがこの曲を歌ったのは家族の幸せな未来への希望であり、いずれもジャスティン・チョンが言っていた「僕が描いているのはいつも『切望』です」の象徴と思いました。


★★★★★★★








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