世界で一番美しい少年
- 2022/08/08
- 00:15

2021 98分 スウェーデン
1970年に巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督に見いだされ、15歳で「ベニスに死す」に出演するや、その完璧な美貌で“世界で一番美しい少年”と称賛され、一大センセーションを巻き起こしたビョルン・アンドレセン。本作は、豊富なアーカイヴ映像と本人へのインタビューを軸に、一夜にして狂騒の渦にのみ込まれていった孤独な少年の苦悩と、その後の波乱万丈の人生を辿り、ビョルン・アンドレセンの知られざる実像に迫る人物ドキュメンタリー。監督は、ともに本国スウェーデンでマルチに活躍するクリスティーナ・リンドストロムとクリスティアン・ペトリ。
allcinemaより
興味深い内容でした。私はこの人の出演作は『ベニスに死す』以外知りませんでしたが、近年では『ミッド・サマー』のあの崖の上から落ちる人がそうだったのかと知って驚愕しました😮😮
一番思ったのは美しい人というのは老いても美しいのだなと。今もスリムですらりとしていてなんと言っても素晴らしいのが髪がふさふさなんですよね。殆んどイエスさまの様な風貌です✨👼✨
美しい人ということ以外何も知りませんでしたが、複雑な生い立ち(お母さんが自殺。お父さんは誰か分からない)や、本人は役者になる気は無かったがお祖母さんが彼を有名にしてお金を儲けたかったこと、日本でのフィーバー(全然知らなかった❗)等驚くことばかりでした。いちばん印象的だったのはヴィスコンティのオーディションの様子やベニスに死すの撮影風景が映像として残っていることですね。リアルでした。ヴィスコンティは16歳になったビョルンさんを「歳をとりすぎた」と言ったりゲイバーに連れていったりと彼に対してのリスペクトを感じませんでした😡お祖母さんも「日本に行ってお金を稼いできなさい」にはあくどさしか感じません。来日時の待遇もあまり良くなかった様ですね。
今は裕福ではない様で暮らしているアパートを退去させられそうになり、何とか留まることができホッとしていました。彼が一世を風靡した時のお金はどうしたんだろう?お祖母さんに使われてしまったの?なんて人様のことながら考えてしまいます。
50年前の日本でもフィーバーだった時に日本語で歌った曲をレコーディングしていて、それの作詞が阿久悠だったこと、チョコレートのCMに使われていたことなど全く知りませんでした。てもそのCMを見て、そのチョコレートは記憶にありました。当時好きだった記憶があります。
本作の為に50年ぶりに来日した様で、池田理代子(オスカルはビョルンさんがモデルだと初めて知った)に会ったり、当時の仕事の関係者に再会していましたが、その際当の本人(ビョルンさん)のコメントは皆無だったのが疑問でした。この辺りは監督の仕事が雑だと思いました。
とは言え色々なことを知れて見れて良かったです。
最初の方に書きましたが今も綺麗な人なので、お洒落なスタイリストに洋服や髪を整えてもらえばすぐにシニアモデルなどになれそうな感じですが、本人はそういうことに無頓着な感じで、そこが魅力なのでしょうね。ミッド・サマーの役もお洒落なおじいさんでは合わなかったし、役者としては今の風貌の方が良いのでしょうね。本人は自身を役者と思ったたことはないと言っていましたが。
こういう作品を見るといつも思うことですが、時が流れるのはあっという間で泣いても笑っても止まらすに過ぎてしまうということです。そういう話は作品中には出てきませんでしたが、ビョルンさんはこの50年間をどう感じたのかを聞いてみたいです。
妹さんや娘さんとは関係が良好な様なのでそれは良かったと思いました。元気で幸せでいてほしいと思います。
★★★★★★