わたしは最悪。
- 2022/09/10
- 19:56

2021 128分
ノルウェー/フランス/デンマーク/スウェーデン
「母の残像」「テルマ」のヨアキム・トリアー監督がアラサー女性を主人公に、自分に正直に生きることを貫く奔放なヒロインの恋と葛藤を繊細かつヴィヴィッドに描き出した異色のラブストーリー。主演は本作が映画初主演ながら第74回カンヌ国際映画祭でみごと女優賞に輝いたレナーテ・レインスヴェ。共演にアンデルシュ・ダニエルセン・リー、ヘルベルト・ノルドルム。
学生時代はそれなりに成績も優秀だったユリヤ。しかし何になりたいかが決められないまま、次第に焦りと不安を募らせていく。グラフィックノベル作家として成功した年上の恋人アクセルとの良好な関係も、家庭を築きたいという彼の告白に、かえって迷いは増すばかり。そんな時、たまたま紛れ込んだパーティ会場で若い魅力的な男性アイヴィンと出会い、心惹かれていくユリヤだったが…。
allcinemaより
最寄りのシネコンに来ていたが、上映期間が短くすぐ終わってしまい見逃したので、久しぶりに遠くの館まで片道一時間運転して観に行った。あまり事前知識無く観て、もっとコミカルなラブコメなのかと思ったら、コミカルな部分もあったものの、基本シリアスでビターな話だったので結構びっくりした。でもとても良かったのでわざわざ遠くまで行った甲斐があった。
ユリヤはとても自由奔放。招待されていないパーティーに勝手に潜入したり、知り合った男性とはすぐに寝るし、気の向くままに人生の進路も変えるし、時には男性に暴言を吐いたりドラッグをやったり。尊敬できない部分もあるけど印象はそんなに悪くない。一番の印象は「自分に正直な人」。そんなに「最悪」な人でもない。アイヴァンに吐いた暴言は最低だったけど、それ以外はこういう人普通にいるよねという感じだった。自分の行動や選択を人のせいにしてないので良いと思う。お父さんと疎遠なことや、人生の方向性が定まらない焦燥感は多くの女性と同じ様に悩んでいる普通の一人の女性だった。
ドラッグをやっている時の心理描写はグロくて衝撃だった
(○△✕☆投げるなー(◎-◎;)😱🤮アイヴァンに会いに行く時間だけ時が止まるファンタジーな演出(どこか昔懐かしい感じ。私は好き)と対照的。フランス映画の趣がある様な。オゾン作品を思い出したりした。
人生というのはどこでどうなるか分からないものだなあと思わせるストーリーだった。特にラストが良かった(アイヴァンの選択の理由は予想できる)。そう考えていたらエンドロールが始まり、その瞬間ホロッとした😢ユリヤが最後に選んだ仕事に就くのはそう簡単なことではないと思うので、そこら辺は映画だなと思ったけど。
アクセルの台詞「生涯で最高の人。君は最高だ。」は女なら誰もが羨ましいシーンかと。泣ける😢
「私は最悪。」の意味はユリヤの人格ではなくて、自分の人生の方向性が定まらないことによる自分自身への苛立ちかと。自分の仕事に邁進しているアクセルを見ていて特にそう感じたのだと思う。「あなたが羨ましかった」と言ってましたね。
映像もお洒落だったけど(グロシーンはともかく)サントラがとても良かった。シーンと合っていたと思う。
邦題の句点は何故あるのだろう?無くて良いと思う。
今年(今日までで)一番観たかった作品が『リコリス・ピザ』なんだけど、結局観れなかったのでせめて本作を観たい❗と思って行ったのだけど、当たりで良かった~😢💘
★★★★★★★★