帰らない日曜日
- 2022/11/29
- 14:46

2022 104分 イギリス
ブッカー賞作家グレアム・スウィフトの小説『マザリング・サンデー』を「バハールの涙」のエヴァ・ユッソン監督が映画化した文芸ドラマ。孤児院育ちで、のちに小説家として大成した女性が、晩年に自らの生涯を振り返り、人生の大きな転機となった若きメイド時代の忘れられない1日に想いを馳せるさまを描く。主演は「グッバイ、リチャード!」のオデッサ・ヤング、共演にジョシュ・オコナー、オリヴィア・コールマン、コリン・ファース。
1924年のイギリス。その日は、メイドが年に1度だけ里帰りを許される特別な日曜日“マザリング・サンデー(母の日)”。しかしニヴン家で働く孤児院育ちのメイド、ジェーンに帰る家はなかった。その代わりに向かった先は、近隣のシェリンガム家。その家の跡継ぎであるポールは幼馴染のエマとの結婚を控える身だったが、ジェーンと秘密の関係を続けていた。寝室で愛し合った後、婚約祝いの昼食会に急ぎ向かったポールを見送り、そのまま一糸まとわぬ姿で屋敷内を優雅に探索するジェーンだったが…。
1924年のイギリス。その日は、メイドが年に1度だけ里帰りを許される特別な日曜日“マザリング・サンデー(母の日)”。しかしニヴン家で働く孤児院育ちのメイド、ジェーンに帰る家はなかった。その代わりに向かった先は、近隣のシェリンガム家。その家の跡継ぎであるポールは幼馴染のエマとの結婚を控える身だったが、ジェーンと秘密の関係を続けていた。寝室で愛し合った後、婚約祝いの昼食会に急ぎ向かったポールを見送り、そのまま一糸まとわぬ姿で屋敷内を優雅に探索するジェーンだったが…。
allcinemaより
最近見た中で一番好みでぶっちぎりで良かったです。静謐で美しく、メランコリックでドラマティック。如何にも文芸作品という趣でした。人生には忘れられない1日がある。ジェーンにとってのその日を軸にその後の彼女の人生をドラマティックに綴られていました。
二人の最後の逢瀬のシーンがいちばん心に残りました。彼は笑顔で「グッバイ、ジェーン」と言って微笑みました。「じゃまた」じゃないんですね。そしてそれが永遠の最後になった。
お坊っちゃまの割にはとても気が利く優しい人で、「後片付けは何もしなくていい。お腹が空いたらパイがあるから食べて。4時まで誰も帰らないからゆっくりしていって」素敵な人だなあと思いました。
窓から彼を見送った後ジェーンは裸のまま屋敷内を気ままに探索。特に図書室で幸せな時を過ごす。まさかあんなことになるとは思わずに。
人生はやっぱりその瞬間々が全てなんだなと改めて思いました。
ヌードシーンが多いのが意味が分かりませんでしたが、そこはあまり気になりませんでした。
ヌード絡みで面白かったエピソードは、ジェーンが後の夫の着替えを見ながら「(服を着る)順序が違うわ」と言うと、夫が「メイドが長すぎた」と。思わず笑ってしまいました🤣
もう一つ好きだったシーンは作家として大成した晩年のジェーンの台詞。
「書くしかなかったのよ。楽じゃなかったけど…最高だった。」
そして会心の笑み。最高のシーンでした。
一つ思ったのは何が最高だったのかと。作品の題材にした日々のことか自身の作家人生か。両方でしょうね。描きたかったことを形にできた達成感は作家にしか分からない至福なのでしょうね。
それと冒頭のプレビューの馬。これがひたすら美しい。このシーンはラストに繋がっているのがまた良いです。ラストシーン感動しました。
女性作家の話なので見ながらジョーン・ディディオンやマルグリット・デュラスを思い出しました。彼女たちも人生色々ありましたが頑張って生き抜きましたね。ジェーンも頑張りました😢✨
コリン・ファースとオリヴィア・コールマンは脇役ですが流石の存在感でした。この時代の親達の戦争で息子たちを失くした深い悲しみを演じていました。特にコリン・ファース演じるニヴン氏の達観した人となりが印象深かった。
この監督さん女優出身なんですね。これからも注目します。
★★★★★★★★☆