ラーゲリより愛をこめて
- 2022/12/13
- 16:31

2022 132分 日本
第二次世界大戦終了後にシベリアに抑留され、極限状況の中で過酷な日々を送りながらも、人間の尊厳を失うことなく仲間たちを励まし懸命に生きた実在の日本人、山本幡男の感動の実話を描き大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞をW受賞した辺見じゅんのベストセラー『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』を「ヘヴンズ ストーリー」「64-ロクヨン-」の瀬々敬久監督が映画化。主演は「硫黄島からの手紙」「母と暮せば」の二宮和也。共演に北川景子、松坂桃李、中島健人、寺尾聰、桐谷健太、安田顕。
第二次世界大戦終了後、シベリアの強制収容所(ラーゲリ)に抑留された山本幡男は、ほかの大勢の抑留者たちとともに飢えと寒さと重労働に苦しめられていた。過酷な日々に耐えられず次々と仲間が死んでいく中、日本にいる妻や4人の子どもとの再会を信じ、懸命に生きていく山本。そんな彼は、戦争で心に傷を負った松田や、軍人時代の階級を振りかざす相沢、子犬のクロをかわいがる心優しい青年・新谷など、劣悪な環境下で希望を失っていく仲間たちも懸命に励まし続けるのだったが…。
allcinemaより
本作を観て一番思ったのは山本幡男も劇中で言っていた「戦争とは本当に酷いものです」に尽きます。
号泣すると頭痛になるので、きっと号泣するから観たくないなあと思っていましたが観てしまいました。結果号泣はしませんでしたが、ひたすら悲しく、特にロシアがウクライナに軍事侵攻した今年に観ると無力感に襲われます。こんなに苦しく悲しく虚しい歴史を経ても、何故地球上から戦争は無くならないのかと。本当に悲しい。
シベリア抑留に関してはなんとなくしか知りませんでしたが、本作を見て如何に不当な理由で抑留されたのかということがよく分かり悲しかった。本作は実話ベースというところがとても興味深かった。志半ばで病に倒れ帰国を果たせなかった同胞の遺志を大切に大切に持ち帰って遺族に伝えた人たちが実際にいるのだということに頭が下がるし感動した。この様な事実があったということを知れたのが素晴らしかった。
役者も良かった。特にニノと安田さん。
レビューを見るとアンチな意見もありました。
皆痩せていないし服も汚れていない。→全員栄養失調レベルまで減量するのは不可能なのでCGにするしかないと思うがそれもどうかと。服が汚れていないというのは私もこの手の作品を見るといつも感じるけれど、これも再現するのは不可能だとは思う。でももう少し汚れていてほしいとは思う。/シベリアの風景に見えない→実際にシベリアに行くのが一番いいけど予算やスケジュールの都合かな?/北川景子は美しすぎて適役ではない→私は悪くなかったと思う。実際に市井の人でも美しい人はいるし。でも『キネマの神様』の昭和の銀幕女優みたいな役の方が合うとは思うけれども(あれはそのものズバリでしたね。ハマりすぎ)。
私が気になったところ。序盤の家族が離れ離れになるシーンが不自然だった。/南京虫にやられたらもっと皮膚が悲惨な筈。/遺書は遺族に暗唱することはなかったと思う。/英語の歌は全員が歌えたとは思えない(取って付けた感)。/全員が空を見上げているのは不自然。/クロの為に船は止まったのか⁉️有り得ないがもしあったら素晴らしすぎる。等。
でもそういう細かいところはともかく、本作の趣旨はシベリア抑留の悲惨さと、この様な極限状態の中でも希望を捨てずに懸命に生きた一人の男、彼を待つ家族、彼を慕う同胞たちがいた。皆それぞれが必死に生きていた。ということだと思うのでそれは伝わったと思います。リアリティを追求するならばドキュメンタリーを見るのが良いと思います。
ぶっちゃけ私が一番感動したのはクロなのです。本当に素晴らしい俳優犬でした。人よりも彼の表情、彼の一挙手一投足(➕尻尾)に涙が出ました。
病室で静かに寄り添う姿や最後のあのシーン。泣かずに見れません😭😭南極のタロとジロを思い出しますけれども。しかも‼️クロのことは創作かと思いきやなんとこれも実話らしいのです。これには驚愕😮そして感動。クロを愛してくれた人たちありがとう😭😭😭✨✨
本当に戦争やめて。お願いします🙏
★★★★★★