ある男
- 2022/12/29
- 00:08

2021 121分 日本
芥川賞作家・平野啓一郎の同名ベストセラーを「蜜蜂と遠雷」「Arc アーク」の石川慶監督が映画化したヒューマン・ミステリー。夫が素性を偽っていたことを死後に知った女性からの依頼でその男の身元調査に乗り出した弁護士が、少しずつ男の正体とその理由に迫っていくさまを、切なくも情感あふれる筆致で描き出す。主演は「悪人」「浅田家!」の妻夫木聡、共演に安藤サクラ、窪田正孝。
弁護士の城戸は、かつて離婚調停を請け負ったことのある女性・谷口里枝から、亡くなった夫「大祐」の身元調査をしてほしいと奇妙な依頼を受ける。離婚後、子どもを連れて故郷に戻った里枝は、そこで「大祐」と出会い再婚し、新たに生まれた子どもと家族4人で幸せに暮らしていた。ところがある日、「大祐」が不慮の事故で命を落とすと、知らせを受けてやって来た大祐の兄によって亡くなった夫が大祐とはまったくの別人であることが判明したのだった。里枝が愛した夫はいったい誰で、なぜ別人として生きなければならなかったのか、その謎を調べ始める城戸だったが…。
弁護士の城戸は、かつて離婚調停を請け負ったことのある女性・谷口里枝から、亡くなった夫「大祐」の身元調査をしてほしいと奇妙な依頼を受ける。離婚後、子どもを連れて故郷に戻った里枝は、そこで「大祐」と出会い再婚し、新たに生まれた子どもと家族4人で幸せに暮らしていた。ところがある日、「大祐」が不慮の事故で命を落とすと、知らせを受けてやって来た大祐の兄によって亡くなった夫が大祐とはまったくの別人であることが判明したのだった。里枝が愛した夫はいったい誰で、なぜ別人として生きなければならなかったのか、その謎を調べ始める城戸だったが…。
allcinemaより
上画像は絵を見つめる城戸の「他の誰かになりたい」という願望を表現した印象的なシーンでした。本作は他の誰かになって違う人生を生きようとした男たちの話でした。
☆☆ネタバレ注意☆☆
違う誰かになりたい理由。城戸の場合は裕福ではあるけれど、在日ということから差別されること+家庭の居心地の悪さが原因。谷口大祐(X)の場合は。。。一言で言うと不幸な生い立ちが原因。その根元は毒親です。殆んどの不幸なストーリーの根底にあるものもこれですね。最近観た作品だと『月の満ち欠け』の正木瑠璃は親戚の家をたらい回しに育ったという境遇だった。そしてモラハラ男と不幸な結婚をしてしまった。もし彼女が幸せな家庭に育っていれば違った人生だったのかもしれない。『ザリガニの鳴くところ』の主人公は父親がDVだった為一家離散に。彼女は幼少の頃から壮絶な人生を強いられる。
こんな感じでいつも不幸の根底には毒親ありきだと毎回思わせられますが本作もそうでしたね。今回の場合は特殊であまりにも悲惨でしたが。
でもこの映画のようなことって実際にあるらしいということが信じられませんでした😮昔ならともかく今でもこんなことができるのかということが。いずれにしても不幸ですね。本人はいいかもしれないけど家族は。
柄本さんと眞島さん演じた男が性格悪くてびっくりだった😮💧柄本さんこういう役多いですね。『先生の鞄』みたいな役もいいのにね。
毒親の元に生まれるのは本当に不幸だと思ったのと、城戸が本人は意識してないのに周りが城戸が在日であることを口にするところに世間の偏見の根深さを感じました。
色々考えさせられる作品で、決して幸せな気持ちになる作品ではないことは確かです。
★★★★