スワンソング
- 2023/03/01
- 22:19

2021 105分 アメリカ
名優ウド・キアが老人ホームで余生を送る伝説のヘアメイクドレッサーを演じる人生ドラマ。旧友からのある依頼をきっかけに施設を抜け出したゲイの主人公が、時代の変化に戸惑いつつも、過去と向き合っていく中で、再び仕事への情熱と矜持を取り戻していく姿を、ユーモアを織り交ぜつつセンチメンタルかつハートフルに綴る。共演にジェニファー・クーリッジ、リンダ・エヴァンス。監督は本作が長編4作目のトッド・スティーヴンズ。
オハイオ州の小さな町サンダスキー。かつてヘアメイクドレッサーとして町の人気者だったミスター・パットことパトリック・ピッツェンバーガーは、今では現役も引退し老人ホームで静かな余生を送っていた。そんなある日、町一番のお金持ちで友人でもあったリタが亡くなり、遺言で死に化粧をパットに依頼してきたのだった。しかしリタへのわだかまりを抱え、仕事への情熱も失っていたパットは、高額な報酬にもかかわらず依頼を断ってしまう。それでも昔の思い出が呼び覚まされ、激しく心が揺さぶられたパットは、ホームを抜け出すと、華やかな生活を送った地元の町へと舞い戻ってくるのだったが…。
オハイオ州の小さな町サンダスキー。かつてヘアメイクドレッサーとして町の人気者だったミスター・パットことパトリック・ピッツェンバーガーは、今では現役も引退し老人ホームで静かな余生を送っていた。そんなある日、町一番のお金持ちで友人でもあったリタが亡くなり、遺言で死に化粧をパットに依頼してきたのだった。しかしリタへのわだかまりを抱え、仕事への情熱も失っていたパットは、高額な報酬にもかかわらず依頼を断ってしまう。それでも昔の思い出が呼び覚まされ、激しく心が揺さぶられたパットは、ホームを抜け出すと、華やかな生活を送った地元の町へと舞い戻ってくるのだったが…。
allcinemaより
何となく見たのですが大感動🥺😭最近見た中でダントツに好みでした。実在した人がモデルになっていまして、舞台もディレクター兼ライターのトッド・スティーブンスのホームタウンになっていますので、これはディレクターの地元と仲間たちへの愛に溢れた作品です。ゲイムービーでもあり、ロードムービーでもあります。実在したゲイバーの話なども出てきます。エンドクレジットで夫に捧げるとありましたので監督もゲイの方と思われます。つまりこれは監督の人生が凝縮された作品なのだと思いました。
脚本も凄くいいしロケーションもいいしなんと言っても主演のウド・キアが最高です。人生の最晩年に一仕事をする為に目的地に向かうという設定のストーリーはよくありますが、本作の場合それが親友の死に化粧というところがなんとも渋いです。その顧客とは親友だったが確執もあった。彼が最後の大仕事の為に戻ってきたホームタウンには彼の人生の全てがあった。栄光と挫折。愛する人と暮らした思い出。仲間たちとの楽しかった日々。その一つ一つと対峙していくパットの想いが手に取るように伝わり。流石名優😢個人的にはオスカーを贈りたいです。
シリアスなシチュエーションなのですがユーモアを鏤めてあるところがとても素晴らしいです。パットが電動車椅子で優雅に車道を走っていて後ろは車が大渋滞。パットはそれを笑って楽しんでいる🤣胸につけているプードルのブローチや黒人女性が経営する美容院でもらったピンクの帽子等小物の使い方も素晴らしく。極めつけはアンティークのシャンデリアと特注と思われる美しい靴。そうそうパットの全ての指に嵌められている指輪も。それらを見ているだけでも楽しかった。エンドロールもゲイカルチャー(と言うかドラァグ)を象徴するものたちがフィーチャーされていてツボでした。音楽もレトロ感満載で歌詞が字幕で出たものはストーリーとマッチしていて素晴らしかった。
本作を見ていて思い出した作品がありました。サーカス・オブ・ブックス。時代の流れと共に衰退し閉店するポルノショップのドキュメンタリーです。かつてポルノショップはゲイたちの憩いの場であり出会いの場だった。インターネットが普及してからは全てネットで事足りる様に。同じ様なことをパットと旧友が話しているシーンが印象的でした。
パットがかつて通ったゲイバーも閉店することに。そこで弾けるパットはとても素敵です。そこから続くクライマックスは圧巻。人生はどの瞬間も楽しめて自分らしく生きられるとパットは教えてくれました。
(冒頭にも書きましたが)冒頭に『真のカリスマから着想を得る』と字幕。その実在したカリスマの実名がウド・キア演じる主人公の名前。エンドクレジットにエイズで亡くなった友人たちの名前。最初から最後まで監督の地元愛に溢れている作品で、オハイオ行ったこと無いけど胸が一杯になりました😢💘✨ヒューマンドラマ好きな方是非。
★★★★★★★★★★