フェイブルマンズ
- 2023/03/07
- 22:58

2022 151分 アメリカ
巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督が自らの子ども時代を映画化した自伝的作品。科学者の父と音楽家の母という対照的な両親のもとに生まれた少年が、映画づくりに夢中になり、やがて夢を叶えるまでの葛藤と成長の日々を描き出す。出演は主人公のサミー役にガブリエル・ラベル、その両親役でミシェル・ウィリアムズとポール・ダノ。
1952年、両親に連れられ初めて映画館を訪れたサミー・フェイブルマン少年は、そこで観た「地上最大のショウ」の列車脱線シーンに大きな衝撃を受ける。その後、列車の模型でそのシーンを再現しようとするサミーに、母親は8mmカメラを買い与える。以来、カメラで撮影することに夢中になっていくサミー。次第に彼のつくる映像作品は周囲を驚かせるまでになっていくが、まじめな科学者の父は、あまり趣味にばかり情熱を注いでほしくないと思っていた。そんな中、一家は父の仕事の関係で、アリゾナからカリフォルニアへと引っ越すことになるのだったが…。
1952年、両親に連れられ初めて映画館を訪れたサミー・フェイブルマン少年は、そこで観た「地上最大のショウ」の列車脱線シーンに大きな衝撃を受ける。その後、列車の模型でそのシーンを再現しようとするサミーに、母親は8mmカメラを買い与える。以来、カメラで撮影することに夢中になっていくサミー。次第に彼のつくる映像作品は周囲を驚かせるまでになっていくが、まじめな科学者の父は、あまり趣味にばかり情熱を注いでほしくないと思っていた。そんな中、一家は父の仕事の関係で、アリゾナからカリフォルニアへと引っ越すことになるのだったが…。
allcinemaより
奇をてらった演出や複雑な展開の全く無い、しかし状況や心情はストレートに伝わる良質なヒューマンドラマの佳作といった印象。私は好きでした。因みに公開4日目の平日のレイトショーで観て観客私一人😅普通のヒューマンドラマって人気無いんだなあと。世界で最も愛される映画監督の一人の自伝であっても。
いつものことだけど🙍
感想はさっき書きましたが分かりやすいヒューマンドラマ。それが全てです。内容はよくある話と言えばそうなのでスーパードラマチックな展開を望む人には物足りないかもしれませんが、私はそういうのも好きだけどこういうどこの家庭にも色々あって現実を受け入れて大人になっていくんだよねという話の方がリアリティを感じられるのでとても好きです。特に自分も息子の母親なのでお母さんの気持ちがよく分かる部分があり、背中の手形のシーンは泣けるものがありました😢お父さんとお父さんの親友の気持ちもそれぞれ理解できました。人間はやっぱり基本の性質というものがあってそれは変えられないし、そこが合う合わないというのは人生を左右する。人生は有限だから決断も大切になりますね。そんなことも考えさせられました。
自分が心に残っているシーンはサミーのプロムのシーン他色々ありますが、何故かベニーとサミーの別れのシーンが特に心に残りました。あの時のお互いの気持ちがよく分かって…😭😭特にベニーの。最後のオチ(胸ポケット)も良かったなあ😢💘
サントラもすごくツボで👂💕インスト曲もそれ以外も。walk on byのシーンぐっと来たなあ😣あの女優さんとても素敵✨クロエ・モレッツにちょっと似てる。
極めつけはジョン・フォードの件。
✴️以下ネタバレ注意✴️
個人的に『わが谷は緑なりき』が人生で一番感動した映画の一つなのでそのポスターだけで胸が一杯になってしまったのだけど、それ➕地平線のエピソードは興味深かった。昔写真教室の講師が写真の構図の話で空の分量は殆どか殆んど無いかのどちらかが好ましいと言っていたのが脳裏に甦りました(真ん中は駄目らしい)🙅全く同じことを言っていたので。フォードを演じたDリンチが面白すぎた😆(お見事👏)。あとサミーを彼に会わせた人(グレッグ・グランバーグ)を凄く久しぶりに見た。昔ちょこちょこ見かけたけどずっと見なかったからもう俳優やってないのかと思ったけどやってたんですね。因みにミシェル・ウィリアムズは見間違えようがないけれど、ポール・ダノは彼だと気づくまで数分かかり、気がついたとき驚愕した😮個人的に『リトル・ミス・サンシャイン』のメージが強いので(いつの話してるの?だよね😅)時の流れの早さを感じました。
サミーの幼少期から大学2年までのことが描かれているのだけれど、町山さんの解説ではスピルバーグは17歳の時に「偽の身分証明書を書いて映画会社に潜り込んだ」そうで(wikiにはユニバーサルスタジオでスタッフと知り合って3日間の通行証を作ってもらい、その3日間に人脈を作りスタジオに出入りできるようになったとある)つまり初めは人脈固めから映画界に入ったということらしいがドキュメンタリーじゃないので仕方ないけど、映画ではそういういきさつは全く描かれておらず、地道に映画会社に手紙を送って採用されたという風になっていました。個人的には上手くコネを作って業界に入っていったいきさつ(それはそれで才能だけど)を見たかったけど作風的にそういう感じじゃなかったんですね。
町山さんの解説によるとスピルバーグは勉強も運動も全くできなくて身体も小さく、失語症、難読症だったので「彼には映画しかなかったんです」ということでしたが、そう思っても成功できない人が大多数なのでやっぱり天才なのだと思うし、自分を信じて迷わず突き進んだのも凄いと思います。映画の中でお父さんが彼の映画作りを「趣味」と言うのですがサミーが「趣味じゃない」と言うシーンが複数回あり、そう言いきれるのがそもそも凄いですね。
エンドクレジットで出てきた2つの名前を見て、これってあの2人だよね?と思ったらやはりそうでした。この作品はデリケートな内容なのでご両親が亡くなるまで作るのを待っていたという話も印象的でした。人に歴史ありでした。
★★★★★★★★