2008 108分 フランス
「白と黒の恋人たち」「恋人たちの失われた革命」のフィリップ・ガレル監督が、息子ルイ・ガレルを主演に据え、モノクロ映像で描く悲恋ドラマ。若い写真家フランソワは、女優で人妻のキャロルと恋に落ちる。しかし2人の関係は長続きせず、キャロルは次第に精神を病んでしまい…。それから1年後、フランソワは別の女エヴと付き合っていた。しかし彼女の妊娠が発覚すると、途端に逃げ腰に。そんな中、突然キャロルの幻影に苦しめられ始めるフランソワだったが…。
allcinemaより
ルイ・ガレルもローラ・スメットも好きですが暗いというかアンハッピーな話でした
よく言って繊細、実際は不甲斐ない男と彼を愛した女性たちの悲しい恋の話です
フランソワとキャロルは出会って間もなく恋に落ちたがキャロルは人妻でフランソワは肩身が狭かった
その内にキャロルが精神を病みフランソワはキャロルを支えてあげることができずに別の恋人ができ二人は訣別(その終わり方が又悲しい(T_T)
新しい恋人が妊娠するとフランソワは弱気になり「子供なんて無理だよ。」と言い出す
それでも何とか新しい恋人と向き合おうとした時にキャロルの幻影が現れ苦悩する
一貫性が無く本当に不甲斐ない男なのだが彼女たちへの愛は嘘ではなかった様に見える
でも後から苦悩するくらいなら何故その都度もっと全力で最善を尽くさなかったのかと思うが設定がそもそもそういうキャラじゃないんだよね
(^_^;)
でも。。。こういう人を愛した女性は苦労してしまうわね
(T_T)m(__)m
ルイ・ガレルはこういう役がとても似合うんだよね
(^o^;)
て言うかこういう感じの役専門という感じなので(全作は見てないけど私が見たのはいずれもそういう感じ)全く違う役を見てみたい(^_^;)
後半はちょっとホラームービーの様な趣がありおぞましいものの姿が映ったのにはゾッとしました
あれは誰の心象風景だったのかがイマイチ分からなかった
それにしてもオチが唐突な感が否めずもう少しそこまでの流れを丹念に描写してほしかったと思いました
ドラマチックなラストとは言い難く。。。
後半で雰囲気が違う作品になってしまったのでそこが惜しかったかも
でも基本的にはこういうアンハッピーなの好きです

キャロライン役のローラ・スメットさんは何とも個性的な不思議な魅力のある人ですね
私は『石の微笑み』がとてもとても大好きで(これですっかりシャブロルに惚れてしまった☆☆)この作品の彼女は強烈でした
特にゴージャスな美人という感じではないがどことなくアジアの血が入っている?と思うミステリアスな雰囲気の容貌で全体の雰囲気もセクシーでミステリアスで気になる!(笑)
この人って問題ある役しかやってるのを見たことがない(^_^;)
『石の~』は完全なサイコだし『ゼロ時間の謎』も言動に問題のある人の役だったし、『愛の~』も精神を病んでいく人で(@_@。
彼女の何処にでもいる普通の女の子には☆絶対に見えない☆(^^;)雰囲気がそういう役に合うんだな~と思います
でも『石の~』の時から比べると老けたな~と思いました。髪をブロンドに染めてた様だけど元の色の方がいいと思う
最近の作品を見かけないがずっとコンスタントに映画に出ている様なので又他作品も見たいと思う
ルイ・ガレルはハンサムっていう感じではないが雰囲気が素敵でいかにももてそうな感じです
だからどうしてもこういう役が合うね(^_^;)
さっきも書いたけど今まで見たことの無い役どころを見てみたいですが
モノクロの映画も久しぶりに見ましたね
TV(BS)にて
★★★★★★★
↑より前にたまたまなんですけどよく似た作品を見ました
『わたしの可愛い人ーシェリ』です
2009 90分 イギリス/フランス/ドイツ
フランスの女流作家コレットの代表作「シェリ」を、「危険な関係」のスティーブン・フリアーズ監督がミシェル・ファイファー主演で映画化。20世紀初頭の華やかなパリを舞台に、美貌と知性で富と名声を手に入れた40代後半の元高級娼婦レアと、母子ほども年齢の離れた19歳の青年シェリの恋愛を描く。共演に「ヴィクトリア女王 世紀の愛」のルパート・フレンド、オスカー女優キャシー・ベイツら実力派がそろう。
映画.com より
流れが似ていて共通点が多かったんです
放蕩息子シェリを見かねた母親が昔の娼婦仲間のレアに教育係として息子を託した
シェリを小さい頃から知っているレアにはシェリとの男女のつきあいは圏外だったが二人は恋に落ちてしまった
しかし数年仲良く暮らしたところでシェリに若い女性との縁談が持ち上がりレアの元を去るシェリだったが。。。
というお話です
とにかくミシェル・ファイファーがこの役はこの人しかいないだろうと思うくらいピッタリすぎて素晴らしいの一言でした
元娼婦の役ですが作品中にこの時代は娼婦がスターだったということを実在した娼婦の写真と共に紹介している件があります
華やかで艶やかでいかにも自由奔放だったんだろうなぁと思われる彼女たちの写真の後にその一人(伝説の娼婦)としてレア(ミシェル)の写真が登場した時全く違和感が無い存在感☆☆
うんと年下のシェリに対しての揺れる女心も繊細に演じていて流石だったしこの時代の優雅な衣装もパーフェクトに似合っていて動作や表情の一つ一つがうっとりしました
本当に美しい人ですね~
ちゃんと衣装とジュエリーが完璧にコーディネートされてるんですよね~
これだけ美しくても恋人が親子ほど年下だとやっぱり苦悩は避けられないのですよね(T_T)
物語後半は切なかったな~
ミシェル・ファイファーとルパート・フレンドは美男美女でとても素敵な組み合わせでしたね
(ルパート・フレンドはイケメンだがイマイチ知名度が低い気がしませんか?なんか勿体無い)
よき時代のロマンチックでちょっと笑えてとても切ない恋のお話でした
あと今作は監督さんがナレーションをやっていてなかなかいい雰囲気でした
TV(BS)にて
★★★★★★☆
☆雰囲気ネタばれ注意☆
両作品の共通点は
☆つきあいだしたのは成り行きだったがお互いに本気で愛し合った
☆諸般の事情により別れ(男性が女性を去った)男性は新しい女性と共に新たな幸せを掴んだかに見えたが心の中の葛藤に苦悩する
☆唐突なオチ
いずれも男の方が身勝手なんですけど(まぁキャロルは人妻で不倫という罪はあったがフランソワのことは本気だった)男性たちが彼女の元を去ってから自分が思っていたよりも彼女を愛していたこと、彼女が自分の一部だったことに気がつく内容なんですよね
『わたしの~』はロマコメ的な要素もあり(シェリの母親役のキャシー・ベイツが笑えます。20世紀初頭の話なのでSATCのクラシカル版と思う様な雰囲気もありました)ひたすらシリアスな『愛の~』とは趣が違いますが根底には共に人を愛すること(というか愛してしまうでしょうか)ありきの男と女の悲しい愛の物語です
そして共に見終わった後に何とも言えない気持ちになる作品でした(特に「わたしの~」は不完全燃焼な気持ちに。。。)
そして共に男と女はやっぱり上手くいかない(ことが多い)ね!と思ったのでした
両作品共に
運命の恋が必ずしも幸せをもたらすとは限らない
或いは幸せは長くは続かない
というところが好きでした
そして共に主演女優に魅了される作品と思います