allcinemaより
この作品は私が子供の頃に封切りされまして当時大変話題でした
私が知っていたのはお爺さんと猫の旅のお話ということだけでしたがきっとほのぼのしたお話なんだろうなぁいつか見たいなぁと思うこと早39年!
もうすぐ40年になろうという今頃やっと見れました
最初から最後までどの部分も好きで全く飽きることなく最後まで見れました
とても素晴らしいヒューマンドラマで感無量です(T_T)
上記の内容以外の予備知識無く見ましたが実際に見ると冒頭から老人たちが一人でベンチに座っている映像が連続して映されるのを見てこれはほのぼのした作品ではないのだと感じました(@_@。
ほのぼのした部分もありますが実際これは大人向けの作品でしたね
子供が見ても状況把握ができないと思います
人生の晩年をどう生きるかというテーマですから
まず序盤☆
これって。。。!!奥さんに先立たれ独居老人(withトント)のハリーが区画整理で住み慣れたアパートを立ち退かなければならない。
ハリーは終始トントに話しかけるのですがここも昔は活気があっていい街だったがとっくの昔にそれも終わってるよと語る場面があります。
そして強制的に立ち退きさせられるのですがこの件が『カールじいさんの空飛ぶ家』と重なって胸キュンになってしまいました(T_T)
愛する奥さんとこの家で幸せな時代を過ごした。でも奥さんはもう傍にはいなくて街もすっかり変わって住みにくくなった。それでもここを動く気は決して無かったがどうやらもう移動するしか無いようだ。
という件がまるっきり同じなんですよね。
とても見るものの胸が痛くなる流れなんですよね
(以前「映画を見ても滅多に泣かないがカールじいさんだけは冒頭部分で夫婦で号泣してしまった。」という話を聞いたことがありましたがそれも分かるなぁと)
で、カールじいさんは少年を相棒に、ハリーはトントを相棒に旅をしていき道中色々なことがあって最後まで一緒で。。。そしてその旅を通して新しい人生が開けるという共通した内容だったのでもしやカールじいさんはハリーとトントにインスパイアされた部分があるのかな?とちょっと思ってしまいました
それはさておき☆
これは基本はシリアスなお話ですね
時代は違うけど晩年になったら誰もが向き合わなければならない普遍のテーマですね
☆一部ネタばれ注意☆
ハリーはまず長男宅に行ったが長男の奥さんとそりが合わない。二人の息子(孫)たちも問題があって家庭内がぎくしゃくしている。
でも長男はお父さん(ハリー)のことをちゃんと心配していることに救いを感じた。
奥さんが「同居は大変。何でうちだけなの?子供は他にもいるのに。」(普通本人目の前に言うかなこういうこと(@_@。!)と言い長男(息子)が奥さんに激怒してナイフを食卓のお肉に突き刺すシーンが印象的。
同居ってやっぱり大変だよねm(__)m(自分の将来と重なるなぁ。私は誰とも同居したくないけれど先のことは分からないしね~)
ハリーは長男の次男の部屋で一緒に寝ていたけれど次男とハリーは馬が合うようでこの部屋内だけ空気が柔らかくトントも次男の胸の上に乗ったりしてる場面に心が和んだ(^'^)
次にシカゴにいる娘の所に行く。娘も順風満帆の人生では無かったがちゃんと暮らしていてハリーのことも心配していた。
二人で海辺を歩くシーンでの会話より。
(会話はハリー、娘の順)
「シャーリー。私が好きか?」
「気に入らないところもあるけど愛してるわ。」
「会えばケンカだ。」
「それが私たちのやり方なのよ。」
この会話が凄く印象的でしたね
二人の関係が何となく理解できるというか。
しかしシャーリーを演じたエレン・バースティンは何故昔も今もこんなに変わらないのでしょうね!?!?
この頃から基本変わってないと思うのですが
凄いな~
このイラスト可愛いですね
このプリントのTシャツが欲しいな(^'^)
で、最後に次男のところに行くのですが(その間に色々な人との色々な出会いがあるのですが)次男が一番問題を抱えていた。
次男はお父さんの前でさめざめと泣きハリーは彼を慰める。(youtubeの投稿コメントで次男が悲しむシーンを絶賛している人が結構いる。因みに次男を演じたのはラリー・ハグマン。去年亡くなっています。)
この歳になってもいい父親でいられるって素晴らしいな~と思った
で、それぞれハリーとの同居を望む子供たちだったが(これって凄く幸せなことですよね)結局ハリーは独居を選ぶ。
羨ましいし立派だな~と
これってお金があって身も心も自立してないととできないよね
誰もが子供たちには頼りたくないと思っていると思うけれど(特に欧米では大人の親と子は同居しないのが基本と聞きます。)これはまずお金ありきだからハリーは立派だなぁと感心すると共にいずれそう遠くない未来に高齢者になる自分の現実を思いシビアな現実を思った
(-_-;)
トントは茶トラのとてもラブリーなぬこです
画面から伝わる感じは人懐こくてリラックスしている性格に見えたので猫好きな人が見たら皆相好を崩すと思いますが半面今作はぬこの扱い方には問題があるシーンがあります
でもハリーはトントの為に飛行機に乗るのをやめる、バスも途中で降りる、常にトントに話しかけるなどトントへの深い愛情は伝わります
初対面の人とも結構上手くやれるぬこ
(長男の奥さんとはイマイチだったが)
写真は道中途中からハリーのお供になった家出中の少女とトント
ぬこの扱いには少し問題があるものの猫好きな人はトントのラブリーな姿、表情、仕草を一目見るだけでもこの作品は見る価値があると思います
長くなりましたが最後に特に心に残ったシーンを挙げます
☆ハリーが旅の途中で初恋の女性を老人ホームに尋ねるシーン
彼女は少し痴呆で記憶が曖昧な為ハリーとの会話がかみ合わないところ、二人でダンスを踊るシーンがほろっとした(T_T)
☆ハリーとよくベンチに座ってお喋りしていたポーランド人の友人との最期のお別れのシーン(泣けます)
あと内容は書けないけど終盤は涙が止まりませんでしたm(__)m
エンドロールの出演者のクレジットの一番最後に
and
TONTOを見た時どっと涙が溢れてしばらく止まりませんでした
来年で40年前の作品なので主演のアート・カーニーさんも既に故人ですしトント役のにゃんこも何十年も前にお空に行ったと思いますがこの映画の後も幸せな一生だったらいいなぁどんな風に暮らしていたのかなぁと思いを馳せました
自分らしく生きること、旅の出会いの妙を教えてくれる作品と思います(旅に出たくなります(^'^))
お勧めです
因みにこの監督さん作品では『結婚しない女』(1978)(サントラは今作と同じくビル・コンティが担当)がとても大好きです
あの作品もドキッとするリアルなシーンがありましたね
TV(BS)にて
★★★★★★★★★