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<東京マラソン>プロポーズの地、再び完走…一人娘と再出発
毎日新聞 2月24日 11時14分配信
東京都心を約3万6000人が駆け抜けた東京マラソン。埼玉県春日部市の会社員、石山和秀さん(35)には4年前にゴール地点でプロポーズをした思い出深い大会だ。しかし伴侶となった久美子さんは肺がんのため、一人娘を残して34歳で逝ってしまった。石山さんは23日、妻の写真をリュックに入れてあの日と同じ景色を完走した。新たな一歩を踏み出すために--。【竹内良和】
◇ゴールに君はいないけれど
2010年。石山さんは「一生忘れないプロポーズに」と決意し、初のフルマラソンに挑んだ。ポーチに忍ばせたリングをゴールで待っていた久美子さんに差し出すと、左手の薬指にはめてくれた。
結婚翌年に長女夏妃(なつき)ちゃんを授かり、マイホームも手に入れた。石山さんはジョギングをするとき、いつも久美子さんが看護師として働く病院で折り返した。「今、下にいるよ」とメールを送ると、帰宅した久美子さんは「私のこと相当好きなんだね」。一緒に笑った。「この幸せがずっと続く」と思っていた。
久美子さんは12年初め、首のリンパ節が腫れているのに気付いたが、精密検査は痕が残るので避けてしまった。その後に続いた熱やだるさも、2人して「産後で体調が戻らないせいだ」と思い込んでいた。
「大きい。私、駄目かも」。肺がんが見つかった同年秋、患部の画像を見た久美子さんがつぶやいた。6日後、夫婦でデパートに向かい、1歳の夏妃ちゃんには早過ぎるランドセルを買った。娘の成長を見届けられない悔しさに、車に乗るたび夫婦で泣いた。
13年元日、久美子さんは入院。病床で「本棚を見てね」と言われて自宅で確認すると、黒い手帳に6通の手紙が挟んであった。
1通は石山さん宛て。<おばあさんになるまで傍(そば)にいたかった。なっちゃんが子どもを産むまで見守ってあげたかった><ママのものは全部なっちゃんにあげるんだ。だから、和くん、ちゃんと手入れしといてよ!>。残り5通は未来の夏妃ちゃんへの伝言だった。間もなく、久美子さんは息を引き取った。
東京マラソンの当選通知が届いたのは、思い出の場所を通るたびに涙があふれていた頃だ。「前に踏み出してほしい」と言われている気がした。あの病院を折り返し地点に、また練習を始めた。
数日前に風邪をひきタイムは6時間を超えたが一度も歩かなかった。涙で顔をくしゃくしゃにし、久美子さんの写真を頭上に掲げゴールをくぐった。「これが新たなスタートだ」。完走のメダルを夏妃ちゃんの首にかけた。
涙無くして読めませんでした(T-T)
和秀さんと久美子さんは心が通う素敵なカップルだったんだなということが文面から伝わりました
ゴール時の和秀さんの晴々とした表情が本当に素晴らしくて涙が止まりません
悲しみから一歩踏み出そうと頑張る人々の姿はいつも感動と勇気を与えてくれます
ありがとう(T-T)
参加された全ての人々が様々な思いを胸に走ったんだなあと東京に思いを馳せました