行きつけの映画館のメーンバーズカードの有効期限が切れそうになったので館に行きました
(因みに以前は一年間有効だったのが半年になり半年ってすぐに経ってしまうので結構大変です。いつも言ってるけど映画館が遠い(山と川を越えていく)ので)
春休みなのでお子様向けのラインナップも多い中上映時間の都合でこれを選びました
(つまり絶対観たくて観たのではありません
予備知識は「マーク・ウォルバーグが出ている戦争映画」これのみでした)
戦争映画はあまり好んで見ません
悲惨で辛いからです
勿論見たことはありますが所謂戦闘シーンメインの有名作品(ブラック・ホークダウンやプライベート・ライアンなど)は見たことが無いです
なのでその手の作品とは比較できないことをお断りしておきます
戦争映画なので当然の様に悲惨で戦闘シーンでは見てる間ずっと血圧が上がりましたが観終わった時はとても感動して本当に観て良かったと思いました
冒頭で軍隊の実際の訓練シーンが映し出されその過酷な訓練に自らギブアッする者は自分のヘルメットを地面に置くのですが並べたヘルメットの数が増えていくところにこの訓練が如何に過酷ということが象徴されています
主役の4人(役者)が登場したシーンでは確かテイラー・キッチュだったと思いますが上半身裸のショットで物凄く筋骨隆々なことに圧倒されこれだけの身体を作るのにどれだけの日々どれだけきついトレーニングをしたのだろうと思い、続くマイケル(テイラー・キッチュ)とダニー(エミール・ハーシュ)が二人で結構長い時間全速力でダッシュするシーンでやっぱり役者って本当に大変だなぁ(ダッシュのシーンを見るといつもそう思ってしまう)といつもの様に思った
任務に就く前のベースにいる4人はPCで家族とチャットをしたりフィアンセが家の内装に夢中なことなど日常の話をしていて戦場の中の束の間の和みモードだけど山岳地帯に赴きミッションがスタートした時点で完全に仕事モードになり以降は只々悲惨な状況が展開していきます
無線が通じず救援を頼めない
タリバンがウン百人対4人
これって戦場版『オープンウォーター』(ダイビング中船に忘れられ海の中に只二人取り残され誰も助けに来ず只絶望のみがあるという極限状態のお話)だなと思いました
いつ溺れるか分からない、鮫に襲われるかもしれない
タリバンに襲われるのとどちらが大変だろうなんて観ながらそんなことが頭をよぎってしまいました
とにかく絶望的な状況なんです
この映画を観るとそういう絶望的な心理状況に陥るので御注意ください
映画を観て幸せな気持ちになりたい人には絶対お勧めできません(戦争映画なので当たり前ですが)
実際の銃や無線の使い方に関しては軍隊にいたことが無いから全く分かりませんが観ながら相当練習したんだろうなぁと思いました
岩場を滑落するシーンが多いのでスタントマンは大変だっただろうなぁと
撮影も苦労しただろうなぁと
銃撃戦のシーンの撮影が行われた場所は徒歩でしか行けないようなところで急傾斜の岩場なので一般的な撮影機材は使えずやはり過酷な状況だったとありました
マーク・ウォールバーグは撮影をやめたいと思ったことが二回あったそうです ストーリー以外の映画のポイントとしては戦闘シーンは音響が命だと思うのでそこはやはり館での鑑賞ならではの臨場感がありました
(今作品は受賞逃しましたがはアカデミー賞の音響賞にノミネートされていましたね)
そういう意味ではこの作品は館で御覧になるのがよろしいと思います
この作品の一番のハイライトは一番最後の最後です
多くは語りませんがあのシーン以上にに心に残るものはありません
それと共に私が一番感動したのは戦場に暮らすタリバンに対立するアフガンの民です
自分たちも死ぬか生きるかなのに純粋な心で異国の民マーカスを命懸けで助けました
(マーカスが「何故俺を助けるんだ」と何度も言うシーンが象徴的)
彼らの勇敢さには只々驚きます
特に現代社会の中に暮らす現在の日本人からすると信じられない光景に思えます
マーカスが言葉の通じない彼らにナイフを持ってきてくれと頼むシーンがあります
それを聞いた現地の子供が家畜の鳥を抱えて持ってきます
お父さん(お父さんも言葉が通じない)が手に持っていた刃物でその鳥の首を切り落とそうとして慌ててマーカスが止めます
彼らにとっては家畜の鳥も貴重な財産ではと思うのですが何の迷いも無くマーカスの要求に応えようとする無垢な心が印象的でした
私は普段殆どパンフレットは買いませんがこれは是非買わねばと思い購入
その表紙を開いたページにあるのがこの言葉です
原作本の著者マーカス・ラトレル(マーク・ウォールバーグが演じた人物)の言葉です
これにこの作品の全てが象徴されているのかなと思いました
因みに(パンフレットによると)
「実に多くの監督やスタジオが映画化したいとやって来た。その全てと話したよ。でもピーターと出会って彼ならできると思った。」(マーカスさん)
この監督さんの作品は『ハンコック』と『バトルシップ』しか見たことが無いがこの2作品に限っては今作との共通点は何も感じない
(^_^;)が、本人(マーカスさん)が彼ならと言ったのであればピーターさんにはそう思わせる何かがあったのでしょうね
先ほどimdbでこの作品のレヴューを何十も読んだのですが(英語を読むのは得意ではないので内容は完全には把握できてはいないが)評価は分かれていて低評価の人もとても多かった
単なるプロパガンダ作品であるという意見や原作本との違いを指摘する声も多い
(私は読んでいないのでそこは分からない)
評価している人は最高傑作とは言えないが良い作品だという声も多い(最高傑作という声も少しはある)
私が一つ思ったのは軍のことや戦場のリアリティーに関しては全く分からないが役者は良かったと思う
特にベン・フォスターとエミール・ハーシュが良かった
ベン・フォスター大好きです。今時で最もイケてる俳優と思う。この人ってショーン・ペンと被ります。個性的でいつも存在感のある役者だと思う
エミールさんは『イントゥ・ザ・ワイルド』(最も衝撃的で心に残る作品の一つ。)のクリストファーが素晴らしかったなぁ
あの繊細さは今も健在
ファンの方にはすみませんが今作でのマーク・ウォールバーグは彼らほど光っていなかった様に感じる
マーカスさんは評価していた様ですが
それと少佐役のエリック・バナとグーラーブ役のアリ・スリマンが良かった
色々書きましたがご興味のある方は是非映画館で御覧になってみてください
エンディングの映像と音楽が泣けます
因みに今知ったんですが原作者のマーカスさんが映画に一瞬出演していました
そのシーンを知ってアッ☆と驚いた
とても意外なシーンでした
最後に
どの戦争映画を観ても思うのは戦争は只々悲惨であるということにつきます
世界平和を祈ります
映画館にて
★★★★★★★