2002 117分 日本役所勤めの地味なひとりの女性がふとしたことから出会ったまったく対称的なふたりの男性と恋に落ち、“自分らしく生きる”ことと、自分を取り巻く現実との間で葛藤する姿を描いた愛憎ドラマ。多くの若手監督を輩出してきたJ・MOVIE・WARSシリーズの第5期作品。監督はこれが劇場映画初監督となる万田邦敏。主演に森口瑤子。ヒロインに翻弄される二人の男性を仲村トオルと松岡俊介が演じる。
影山光子は市役所に勤める30歳過ぎの平凡な女性。職場ではほとんど目立たず、生活もいたって地味なものながら本人にとってはそれなりに不満のない日々を送っていた。しかしある日、仕事のためにたびたび市役所を訪れていたやり手ビジネスマンの勝野にお茶に誘われる。勝野は光子に急速に惹かれていくが、光子は生活レベルの違う勝野に戸惑いを抱く――。やがて、光子は自宅アパートの真下の部屋に引っ越してきた青年、下川と知り合い親しくなる。光子は、勝野と違い、一緒にいる時ありのままの自分でいられる下川にかけがえのないものを感じるのだが……。
allcinemaより存在も知らずたまたまwowowのオンデマンドで見かけて見ましたがすんごく面白かったです



お金と愛という人間とは切っても切れない普遍的なテーマを描いているのでホラーやアニメやアクションしか見ないという人以外で大人であれば必ず何かしら心に訴えるものがあると思います
隠れた名作発見!!

という気持ち|д゚)
私これを見て金色夜叉を思い出しました
でも金色夜叉と真逆!!
女性がお金持ちに見初められるところまでは同じ
その後宮は相思相愛の許婚寛一を捨てお金目当てに富豪と結婚してとても後悔した
そして寛一に赦しを請うが覆水盆に返らず
一方光子はセレブの勝野に誘われてつきあうがウン十万のドレスをあてがわれ高級レストランに連れて行かれたりする内に勝野に距離感を覚え自ら離れていく
(ドレスの試着の時光子が何気なくドレスの値札を見たとき私もその値段に驚愕した

それ+コートと靴なので総額三桁と思われる。そういうのをポンと買える彼って正直羨ましい笑 でも光子はそれが嫌だった。その気持ちも分かる!)
その後光子は世間一般的にはダメンズの下川(30歳目前にして派遣社員。それもなんとなく辞めようとしてる)を愛してからは彼一筋
そこに全くぶれが無いところが見事
光子の方が人生の選択において勝負あったりということですね
宮は生活の不安は無いけれど愛は無く生ける屍
光子は仕事も愛も全てを納得して自分らしく生きてる
でも光子みたいに自分の価値観が微塵もぶれない人というのは稀有ではないかと
普通は宮みたいに行動して後悔するのが人間ではないのかと
しかし光子のその頑なに自分を貫くところが軋轢を生じることにもなり下川がそれに疲れて光子に
「俺を疲れさせるのはあいつ(勝野)じゃなくて君だ。結局君は自分が一番可愛んだ。君の様な人は結局誰にも愛されない。」
というシーンがあります
思わず自分のことを言われているようでガツンと来ました(;'∀')
本当に幸せの形というのは人それぞれだなぁと思いましたね
普通の女なら98%は勝野の方に行きますよね
特に今みたいな厳しい時代は頼りになるのはお金ですからね
勝野は三高を絵に描いた様な人だし確かにできる人間だから人を見下す部分はあるかもしれないが光子のことも真剣に愛していたし特にモラハラとか無かったし別れるには勿体無さ過ぎたけどバツイチ(奥さんを幸せにできなかったと)いうところに勝野の人間性に問題性があるのは事実かも
でも光子の気持ちも分かる!!!!!(笑)
私も(たまたまだけど)士業の方から声をかけられたことがありましたが(しかもハンサム)瞬時に「無理!」と引きました
着てる服とか普段着でも高級そうだったし(私はユニクロのTが定番)生きてきた世界が違うから
私が二十歳で美人だったら考えるけど普通のおばさんでは接点が何も無いから(笑)
だから光子の気持ち分かります(でも光子は玉の輿に乗れる位美しいが)
私が光子でもウン十万のドレスは返すなぁ(買われることは無いが笑)
あと光子が下川に言った「この人(下川)は自分の生活に満足してる人だと思ったから(あなたが良かった)。」も分かる気がする
上を目指す人ってずっと上を目指し続けますよね
経営者なら事業の拡張のことしか考えていないみたいにね
光子はそういう人と相対する世界にいたいんですよね
それも凄く分かりました
この映画は台詞に重きを置いていると思いますが印象的な構図もありました
特に上下(高低。アパートの二階と一階、階段の上と下)に象徴されるシーン
各人の力関係を象徴していた様に思います
この監督さんの作品はもう一つ見たことがあります
これも殺人犯に恋心を描くという凄い話で一度見たら忘れられない話でした
ストーリーも映像もインパクトがあったなぁ
しかもオチが不思議
>この愛は理解されなくてもいい。
>やっとあなたという人に巡り会えたのです。
>究極の愛が行き着いた、衝撃の結末。この映画のキャッチコピーですが(オールシネマより)
最後の一行を除き上の2行は光子と同じですね
世間から見れば「何で下川?」
でも光子には下川が全てなんですよね
なんだかサム・メンデス原案の不毛な男女の愛(『パリ・テキサス』『フール・フォア・ラブ』を思い浮かべてしまいました
でもこういう素晴らしい作品が何故DVD化されていないのでしょうね?
残念至極m(__)m
この監督さんの世界観は好きなので全作見たいなぁと思いました
UNloved
第54回カンヌ国際映画祭にてエキュメニック新人賞、レイル・ドール賞
2002年日本映画プロフエッショナル大賞にてベスト10第6位、監督賞、主演女優賞
『接吻』
2008年日本映画プロフエッショナル大賞ベスト10第1位、作品賞、主演女優賞
個人的にはこの監督さんの作品はヨーロッパで好まれる気がします
お勧め作品!
WOWOWオンデマンドにて
★★★★★★★☆