カザフスタン ロシア スイス ポーランド 2008 100分
元海兵隊員の青年アサは草原で遊牧民として暮らす姉夫妻の家に身を寄せるが独身であることから一人前扱いされずお見合いをするも上手くいかない。義兄とも上手くいかず八方塞り。それでもどうしても先方の女性を諦めきれないアサはユニークなアプローチ作戦を展開するが・・・
2008 カンヌ国際映画祭ある視点部門賞、東京国際映画祭グランプリ他アジア、ヨーロッパで数々の賞を受賞している作品
監督はドキュメンタリー作品を手がけてきた旧ソビエト出身のセルゲイ・ドヴォルツェヴォイ
中々ハンサムな方です
トルパンとはアサがお見合いをした女性の名前でチューリップという意味らしいです
監督によると「中々手に手に入らないけど生きていく為に(夢見る為に)必要なもの」だそうです
なるほど~~!!!
あまり期待しないで見ましたが凄く面白かったし感動したし心温まる作品(*´∀`)σσσσ)´Д`*)
カザフスタンの作品て初めて見たと思うのでそれだけで貴重な気がするけど遊牧民の暮らしぶりも中々見れないので面白かったし勉強になった!
この監督さんの作品は他に見た事は無いけど過去にドキュメンタリーを手がけてきたということが窺える厳しくも美しい現地の風景を丹念に捕らえた映像が印象的
特に羊の群れを誘導するシーンと竜巻のシーンが心に残った
結婚しようにも地域の人口自体が少なく年頃の女性も 殆どいない辛い状況(「この草原には女はいない。羊しかいないだろう。」というアサの言葉に説得力
を感じる(T_T))。義兄には冷たくされ地域のボスには独身故に相手にされずお見合い相手には思わず笑ってしまう理由で嫌われ物資も少ない中で辛い生活を送っているけどアサのトルパンへの一方的な愛と将来の夢は膨らむばかり(爆)
現実と夢のギャップがありすぎるけど見ていて悲壮感が無いのはトルパンの個性が面白すぎる(お見合いの時の話の内容からして笑える笑)のとへこたれても未来を諦めないこと
それとお姉さんのトルパンへの愛と物資を運ぶ仕事をしている親友との友情
可愛いお姉さんの子供たちもトルパンになついている
(子供たちは3人いてそれぞれ個性的。特に末っ子のヌーカはキュートな腕白坊主で最高!!(多分3歳位 丸坊主で頭頂部だけ髪を伸ばし三つ編にしている。彼を後ろから写すシーンが最高に可愛い(*^o^*))
「俺は都会は苦手なんだ」と言うアサが不安定ながらもこの地で一生懸命生きていこうと頑張っている姿に共感できる
監督さん曰く「普通の冗談は好きじゃない」
その意味はこの作品を見ると分かる
この監督さんが描きたい冗談は詩的でペーソスのあるものです
普段動物が周りにいない生活をしている身には羊とラクダの観察もできて新鮮だった(笑)
特に羊の出産シーンは感動した
この監督さんのユーモアのセンスは後半のラクダのシーンにも現れている
そのあたりも楽しんで見て下さい^^
お薦め作品です
TV(CS)にて
☆☆☆☆☆☆☆