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ぶっ飛んでる映画①M*A*S*H

 
 
 
 

 
1970   アメリカ 116分
 
MASHとはmobile army surgical hospital
陸軍移動外科病院のことです
舞台は朝鮮戦争中の野戦病院で主人公はそこで働く三人の医師ホークアイ(ドナルド・サザーランド)、トラッパー(エリオット・グールド)andデューク(トム・スケリット)
彼らに上司や同僚が絡んでの組んず解れつ何でもありの超ぶっ飛びブラックコメディー
原作はリチャード・フッカーの小説でこの人は実際に野戦病院勤務をしていた元軍医(ホークアイのモデル)
 
 
 自称ロバート・アルトマンファンなのでこれを見ないとお話にならないと思っていました(アルトマンの代表作とされています)が何故かあまりTVでは放送されないようでやっとレンタル(ブルーレイ)で見ました
超高画質で(さすがにブルーレイの映像は美しい)とても41年前の作品とは思えずびっくり(゜.゜)
 
一言で言うとやっぱり全てがぶっ飛んでました(笑)
ホークアイとトラッパーは野戦病院に何しに来たのかと思う位言いたい放題やりたい放題だし(仕事はしている様だったけど規律は守らない)デュークはレイシストだし(゜o゜;その他も全編今で言うセクハラ、パワハラ、モラハラ何でもあり(職場のドラッグを流用、不倫、故意な医療事故((゜0゜))etc・・・!!絶句)
シニカルなロバート・アルトマンでなくては作れなかった作品と言われています
 
しかもこれって内幕もぶっ飛んでいて当事は正統派の戦争映画が主流だったのでこういう内容の映画を作っているということを出資元の映画会社に「隠れて撮っていた」り、朝鮮戦争の話なのにベトナム戦争の話に見せかけていたり(街に三角の麦わら帽子を被った人(明らかにベトナム人に見える)が沢山いるシーンを見た時歴史に無知な私でも「え??」と思った。これはアルトマンが「朝鮮戦争ではなくベトナム戦争の話に見える様にあらゆることをした」その一つらしい)、撮影中ドナルド・サザーランドとエリオット・グールドは「本気で」ロバート・アルトマンを精神に異常があると思い(「言動が普通じゃなかった」らしい)エージェントに訴えていたり(こういういきさつも完全にぶっ飛んでる笑)、極めつけは低予算で制作されたのに大ヒットしたので(製作プロデューサー曰く)
「今の大ヒット映画は制作にも大金がかかっているけどMASHは低予算だったのでボロ儲けだった。そういう意味でこれを超える作品は無い。」
(お陰で40年経ってもブルーレイで楽しむことができる訳ですね。多分アルトマン作品でそれってMASH位ではないかと?)
 

 
 
まぁ本当に何処をとってもぶっ飛んでる作品です
 
私は個人的に言えば他のアルトマン作品の方が好きです
『ウェディング』『ナッシュビル』『フール・フォア・ラブ』・・・このあたりが好きなのでちょっと私のタイプはMASHじゃない・・・(-_-;)・・・実際見てる時も面白いと思わなかったしセクハラモラハラのシーンでは気分悪かったし(それが故意な演出とは分かっていても)アルトマンが拘った血みどろの手術シーンや流血シーンは食後に見たので気持ち悪かったし(確かに「このシーンが無ければ全体が締まらない」というのは納得だけど!)・・・
 
のような印象でしたがしかし不思議なことに見ている間はそう思ったけどラストの「スピーカーを通しての演出」でハチャメチャだった116分間がすっきりまとまった感があり只の悪ふざけのお話が感動的なヒューマンドラマに思えてしまうところはアルトマンマジックなのかな~と
 
 
 
  特筆すべきはテーマソングの素晴らしさです!!
こんな名曲この世にあったのかと思ってしまいました
MASHに興味が無い方も是非この名曲を聴いていただきたいと思います!!
 
この曲は当事13歳だったアルトマンの息子さんが作詞したそうですが自殺推奨の様な衝撃的な内容なので(常に死と隣り合わせの戦場には合っている歌詞かもしれないと思いましたが)13歳でよくこういう歌詞を書けたなぁというのが驚愕です
解説の部分をclickすると歌詞が出ますので是非見ながら訊いてみてください
 
 
SUICIDE IS PAINLESS
by johnny mandel
 
 
 
 
 もう一つ特筆すべきは劇中に「世界で最も有名なあるもの」のパロディーが出てくるのですが(一目見てそれと分かりました)このシーンは演出が絶妙で最高です
この作品の中で最も好きな部分です
 
そこは是非注目して見ていただきたいですね~^^
 
 
 他に特筆すべきは役者の妙です
MASHではエリオット・グールドの話をする人が多いけど(確かにエリオット・グールドはいつ見ても和み系でいいですね^^MASHでもとぼけていて良いです♪)私的には駆け出しのドナルド・サザーランドを堪能できたのが大収穫でした!!
MASHがこの人の出世作らしいですが(特典映像内で本人曰く)「当事は駆け出しでコーヒーを飲むお金も無かった。」と言う割にはあまりにも素晴らしい演技(゜.゜)
もうすでに出来上がってる感さへありました☆
イケメンだし本当に凄い俳優さんだな~と思います
 
 
 
ホークアイ♪
 
 
 

 
 
 
 

 
 
サザーランドと言えば24でおなじみのキーファー・サザーランドさんを想起される方が多いかもしれませんね
 

 
ドナルドさんはこの方のお父さんですが私は昔からお父さんの方がいいな~と思っていました
お父さんの方がsexyだと思います(*^_^*)
因みに私は24を見たことは一度もありません(^_^;)
 
 
 
・・・の様な感じで「激しくブラックユーモアが好きな方」にはお薦め作品ですがそうでない方には私が挙げた様な別のアルトマン作品の方がいいと思います
私的お薦めは『ウェディング』です
私のアルトマン作品の原点です
 
そう言えばMASHの中で暗闇のシーンがあるのですがその時ウェディングの地下室のシーンを思い出しました・・・
 
 
 映画サイトでもアルトマン作品ではMASHのレヴューが圧倒的に多いのですが他の作品の方が好きな私としてはもっと別の作品も見て頂きたいな~と多少不満に感じました
 
 
因みにこの作品は当事兵士達にも凄くウケたということなので実際に戦地にいた人が見ると格別なのかなと思いました
 
因みにアルトマン自身も戦争経験がありますが(元爆撃パイロット)この作品に関して自身の経験が反映されているのは「悪ふざけの部分だけ」だそうです(^o^;)
 
 
 

 
 
ブルーレイ(レンタル)にて
☆☆☆☆☆☆
 
 
 
 
 
 
 
 
 

コメント

No title

セヴンさん初めまして


私はアルトマンファンですがMASHは特ににファンではありません


ドラマと映画は映画が先です
おそらく映画の大ヒットがなければドラマも制作されなかったのではないでしょうか
私はドラマ版を見たらセヴンさんと同じ様に違和感ありありで好きではないことでしょう(笑)
見たいとも思いませんし
アルトマンも言ってたけどアメリカでもドラマの方が有名みたいですよ
最終回はアメリカドラマ史上最高視聴率を誇るらしいですね

No title

ビオちゃん、ちはは~
M*A*S*Hはずっと昔、深夜にやっていたテレビ・ドラマ版が大好きで、毎週観ていました。
それに慣れ親しんでいましたから、役者が全く違う映画版の M*A*S*Hは違和感だらけで全然楽しめませんでした(笑)。
まあ、映画とドラマ、どちらが先に出来たのかは知りませんけど。。。

No title

りゅうちゃん


私は全然詳しくないのですが(こういう情報はネットや映像特典に書いてありますから)一応記事を書くなら少しは勉強しないとという気持ちはあります
(^^;)
ロバート・アルトマンやエリオット・グールドやドナルド・が好きだからというのもあります
(^^;)


映画はビジネスだからヒットしないと資金を集められず仕事ができなくなります
アルトマンはこの作品以前でコケているので生き残るのに必死だったんだと思います
この作品はどの監督もオファーを断りアルトマンが13か14人目だったそうですが引き受けて作品になってヒットしたという運命に乗れたところが一番凄いなって思いました

りゅうちゃんこの曲聴いてくれましたか?^^
歌詞は過激だけど名曲中の名曲と思います!!

再度読んで頂き有難うございました
m(_ _)m

No title

フリーダムさん
全てが完全にモラハラだと思います(笑)
アルトマン作品が好きな人はどの作品も好きみたいですがこの作品はダントツで有名ですね
本当は☆5つにしたかったけどドナルド・サーザランドが素敵すぎたから6つにしました(笑)

他は『ナッシュビル』を名作に挙げる人も多いですね
私も名作と思いますナッシュビルは映画ヲタの人さへ見るのが難しいみたいで「見たいけど諦めてる」と言ってるのを聞いたこともあった位世の中的にはマイナーになってしまっていますがアルトマンを本気で見たいなら必見作品です
ナッシュビルもベトナム戦争絡みですがおふざけは一切無くMASHとは対照的な作品ですね


映画史上初の4letter words (××ck)が台詞にあるのもこのMASHなんだそうです
そういう所も含めてすべてがニューシネマだったのでしょうね
これってカンヌでもグランプリだったんですよね
カンヌのセンスは最高ですね!!(笑)

この作品でアルトマンは生き残れたのでそれを一番感謝しています
(^^;)

No title

こんばんは(^0^)

いつも感心することなんですが、かみえるしゃんは過去の映画にもたくさん詳しくって、文面で勉強させてもらってます(^-^)

わるい子さんのコメントの中で、映画が、共感を得るために作られたというのを拝読し、そうなんだ~~って思って、もういちど読ませていただきました(^-^)

No title

こんばんわ。
なるほど女性の視線で見ると、パワハラ・セクハラなところのある映画なんですね。ストーリーの展開がハチャメチャのようでいて、観る者を引き付ける力があるのは本当に不思議で、これはロバート・アルトマン監督の傑作であると同時に、めりか映画の傑作と高く評価されています。また「イージーライダー」や「真夜中のカーボーイ」と同じくアメリカン・ニューシネマというジャンルに収められているのも、意外ですが、納得でもありますよね。

No title

わるい子さん


わるい子さんのブログに行ったんだけど無くなってた
(T^T)


アルトマンによればこれが制作された時期がベトナム戦争の時期で朝鮮戦争は忘れさられていたので「人々の共感を得るために」ということだそうです
つまりヒットする為の策略です(^^;)
しかし出資側から朝鮮戦争であることを示すようにとお達しが来たそうで冒頭でそれを文字で伝えています
それでもヒットしたので何よりだったと思います

わるい子さんhero大好きですがこれにはheroは一人も出てきませんよ
(^^;)
でも皆憎めないキャラです

アルトマンによればこれには反戦の意味が込められているそうです
MASHの人々の悪ふざけも戦争という狂気を乗り切るためのものなのだそうでした

No title

年代や史実に全く弱い俺ですが
「朝鮮戦争の話なのにベトナム戦争の話に見せかけていたり」の理由としては戦争批判の姿勢がある ってことでしょか?

俺も過去に何度も劇場で観るチャンスがあったはずですが 観てません。 ん~観たくなりました

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Author:kamieru
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三匹のにゃんずと地味に暮らしています。
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