いつも夏になると思いだす映画があります
主にこれらです
プロヴァンス物語/マルセルの夏(1990)
「愛と宿命の泉」の原作者としても知られる作家M・パニョルの少年時代のエピソードを詩情豊かに描いた作品。南仏、オーバーニュ。厳格で頼もしい父と、優しく美しい母の間にマルセルは産まれた。やがてマルセルが成長し9歳になった夏、弟を加えたマルセル一家と叔父夫婦はバカンスのため、プロヴァンスの小高い丘にやってきた。それは彼の生涯の中でも、もっとも美しい思い出のひとつだった……。“父の栄光”という原題が示すように、少年の目から見た父への憧れ、尊敬、そして失望など様々な感情を、美しい風景の中に展開させており、その描写の数々は微笑ましくも切なさがあり心にジーンときてしまう。プロヴァンスの雄大な自然と、それに被さるウラディミール・コスマのメロディがまた良いのだ。続編は、母に焦点を当てた「プロヴァンス物語/マルセルのお城」。
プロヴァンス物語/マルセルのお城(1990)
作家M・パニョルの幼年時代を描いた「プロヴァンス物語/マルセルの夏」の続編。前作が父への栄光を語っていたのに対し、こちらでは優しく美しい母への思慕を綴っている。黄金の輝きを持ったプロヴァンスでの夏休みも終わり、マルセルは再び学校へ通い始める。しかし丘での日々を忘れる事の出来ない一家は週末ごとに丘を訪れるようになるのだった……。ほぼ同時に製作されただけあって、作品の雰囲気も手法もなんら変わることなく、再びあの郷愁に満ちた世界を堪能できる。これは完全にふたつでひとつの作品。必ず両方観てください。
allcinemaより
マルセル・パニョルさんは1895年生まれなので20世紀初頭のお話でございます。PCもスマホも無いゆっくりと時が流れている時代。プロヴァンスの丘の上で豊かな自然に囲まれて家族と過ごす日々は現代人から見てもとても贅沢な黄金の日々に思えます。
一家が丘に向かう様子がとても印象的で忘れることができません。今の様に各種交通網が発達していない時代なので結構遠い距離をそれそれは苦労して行くのですが忘れられないエピソードは近道の為に人様のお城の庭を横切るのです。そこに番犬がいてお母さんはそれをとても怖がるのでした。長男のマルセル少年も何とか無事に丘に着ける様に家族をサポートしながらいつも一生懸命。これは生涯に亘って忘れえない思い出になるでしょう。この映画を見た私でさへそうなりましたから


この一家は本当に素晴らしい一家で家族として均整がとれているのが素晴らしいです。両親は夫婦らしい夫婦ですし長男のマルセルは良い息子で両親を誇りに思っています。(それはタイトルにそのまま表れていてマルセルの夏の方は「お父さんの栄光」お城の方は「お母さんのお城」というタイトルです。フランス語詳しい方、間違っていたらご指摘ください。)マルセルはお母さんにはお姫様の様に接します。以前某有名女性タレントさんがこの映画について話しているのをTVで見たのですがそのシーンを「まるで恋人に接するみたい 。」と目をハート😻にして言っていたのを覚えています。その気持ちは分かります!(笑)そう言えばレオス・カラックスの『ポーラX』でギョーム・ドパルデューとドヌーブが母子役で出てましたがあれも恋人同士の様で(美男美女だし)しかも息子は母を母と呼ばないのでてっきり恋人同士かと思いましたがフランス映画ならではの不思議な世界?これを邦画でやるとかなり浮くでしょうね(^^;)
話がそれましたがこのシリーズの一番感動的なのはラストだと思います。
涙なくして見れません(ノД`)・゜・。私はこのラストは『ニューシネマパラダイス』のラストと被ります。黄金の日々もやがて過ぎゆきいつしか胸の痛みと共に思いだされる。それでもあの輝きは永遠に色あせない。やっぱり人生って素晴らしい(T_T)
お勧め作品です✨
姑獲鳥の夏(2005)
“妖怪”という現象を切り口に、民俗学をベースにした過剰なほどの蘊蓄と大胆不敵な仕掛けでミステリー界に革命をもたらした京極夏彦衝撃のデビュー作にして、いまや数多くの熱狂的ファンを持つ“京極堂シリーズ”の第1作目でもある同名小説を実写映画化した怪奇ミステリー。戦後間もない東京を舞台に、“憑物落とし”の古書店主・京極堂とその仲間たちが、大病院を営む名家をめぐる奇々怪々な事件に挑んでいく。監督は「帝都物語」の実相寺昭雄。主演は「弾丸ランナー」の堤真一。
昭和27年、夏の東京。巷では産婦人科、久遠寺医院にまつわる不気味な噂が広まっていた。それは、院長の娘・梗子が20ヶ月も身籠もったままで、彼女の夫・牧朗は1年半前に密室から失踪したというもの。生活のため雑誌“稀譚月報”の依頼で事件を取材することになった小説家・関口は、数少ない友人で“憑物落とし”の顔を持つ博覧強記の古書店主・京極堂こと中禅寺秋彦に相談を持ちかける。やがて事件は、奇想天外な言動で周囲を混乱に陥れる私立探偵・榎木津や榎木津の幼なじみの武骨な刑事・木場らをも巻き込みながら、思いもよらない展開を見せ始め…。
allcinemaより
因みに原作は読んでいません。堤真一さん演じる京極堂さん自身と古書店、自宅の佇まいが純和風でそれが凄く素敵でストーリーよりもその印象が凄く強いです(^^;)書店と自宅が縁側を跨いで行き来していた記憶があるのですがそれも凄くいいなぁと思いました。久遠寺医院の雰囲気は不気味でストーリーは悲しい話でした。
産女、姑獲鳥(うぶめ)自体が悲しい妖怪ですのでそれと重なる内容になっていたと思います。
そう言えば昔読書好きの知人宅を訪ねた時、自室に京極さんの本がありそれが大きいお弁当箱を思わせる大きさと厚さで特にその厚さに驚いた記憶があります。
おもいでの夏(1970)
1942年の夏、戦火を逃れてニューイングランド沖合いの美しい島にやって来たハーミーとその家族。15歳のハーミーには、オシーとベンジーという同い年の友人ができたが、思春期の彼らの興味はもっぱら女の子のことだった。だが、ハーミーは小高い丘の家に住む美しい人妻ドロシーの虜となる。彼女と知り合った事でハーミ
ーの夏は楽しい日々と化すが、夏に終わりが来るように、彼とドロシーの関係にも終わりを告げる時が訪れた……。年上の女性と過ごした、少年のひと夏の体験を切なく描き上げたR・マリガンの名編。ドロシーに扮したJ・オニールの美しさと、M・ルグランの悲しいメロディがいつまでも心に残る。ハーミーのその後は「続・おもいでの夏」で語られる。
allcinemaより
文字通りひと夏の経験のお話なのですが全体に哀愁が漂い、何と言ってもミシェル・ルグランのサントラが秀逸でこれを見て以降いつでもラジオなどであの切ないメロディーが流れる度にハーミーとドロシーの海辺の家での一時がしみじみと思いだされ何とも切ない気持ちになります(T_T)
私はこの作品と言えば山田詠美さんの
ME AND MRS.JONESを思い出します。とても印象に残った小説です。
ミセスジョーンズはとてもクールでおもいでの夏のドロシーとは全然違うんですけれども軍人の妻で夫が不在というところが同じです。
これらはたまたま全て邦題の中に「夏」が入っていますがマルセルシリーズは(先ほども書きましたが)原題には入っていません。
この中ではSummer of 42もとても好きですがマルセルシリーズへの思い入れがとても強いです。この時代に生きてみたかったなと思います。
これらをご覧になっている方はいますか?
皆さんの夏に思いだす映画は何でしょうか?