ニューヨークの夜を走るひとりのタクシードライバーを主人公に、現代都市に潜む狂気と混乱を描き出した傑作。ベトナム帰りの青年トラヴィス・ビックルは夜の街をタクシーで流しながら、世界の不浄さに苛立ちを感じていた。大統領候補の選挙事務所に勤めるベッツィと親しくなるトラヴィスだったが、彼女をポルノ映画館に誘ったことで絶交されてしまう。やがて、闇ルートから銃を手に入れたトラヴィスは自己鍛錬を始めるが、そんな彼の胸中にひとつの計画が沸き上がる……。P・シュレイダーの脚本をM・スコセッシが監督し、独特の雰囲気を持った“現代劇”を造り上げた。トラヴィスのキャラクターはあまりにも強烈で、70年代半ばから映画ファンとなった男たちにとってデ・ニーロは松田優作と並ぶヒーローになった。これが遺作となったB・ハーマンのスコアも驚異的で、特にトム・スコットのアルト・サックスが冴え渡るメイン・タイトルはあまりにも秀逸。カンヌ映画祭グランプリ受賞。
allinemaより
噂の名作やっと見ました。私はデニーロもスコセッシも特に好きではありませんが(語れるほどは見てないけどいくつかは見ています。スコセッシの音楽関連の映画は古くからの洋楽ファンは馴染みがあると思いますが)今まで見た両者の作品の中でぶっちぎりで凄かったです
語り継がれるだけのインパクトがありました
デニーロは変な男の役は結構やっていると思うがこれはぶっちぎりで変でしかもそれがハマっていて且つ思いっきり若くてスリムなのでとてもカッコよかった

モヒカンもインパクトがありました✨
憧れの人との二度めのデートでポルノ映画というのはドン引きだが

それとか後半の両親への手紙がボーイスカウトとガールスカウトの少年少女の二人が描かれているカードであったところに如何にトラヴィスがずれている人かということを感じた
トラヴィスは孤独感と不眠症に苛まれており心が安らぐ時が無い
それはベトナム戦争の帰還兵であるということも関係しているのかもしれないけれど彼が毎日流しているNYの街並みを見ているとこういうところにいたら誰もが正気を失って行くのではないかと都会に住んだことが無い私などは思ってしまった
(-_-;)
とても住み易そうには見えない💦タクシードライバーには稼げるところなのだろうけど変な客も多そうだし。(実際危ない客も登場していた)
映画を見て「こういう街に住んでいなくて良かった

」と思ったのは初めて。好きな人には申し訳ないけど
個人的には娼婦の多さに驚いた

冒頭の霞みの中から重々しくタクシーが現れるシーンがこの作品の根底にあるものを象徴している気がした
この作品のレヴューでトラヴィスが鏡に向かって話すシーンを絶賛している人が多いのがとても印象に残っていてそのシーンを今か今かと待っている自分がいてしまった(笑)実際に見て「これか-!!」と


腐った花を燃やして身体を鍛えて射撃の練習をしてエネルギーマックスのシーンでしたね
あとハーヴェイ・カイテルが出ていると聞きいつ出てくるのかなぁと待っていたが何と娼婦(ティーンエージャー❗)のヒモの役でしかもロン毛(死語?)でびっくり😲新鮮でした(笑)
(余談ですがデニーロとカイテルと言えば『恋に落ちて』❗永遠の憧れです。あれは二人とも中年の危機(を脱しようともがいている)のが最高だったな)
そのティーンエージャーがジョディ・フォスターで当時はすきっ歯だったのが意外だったが当時から大物女優の片鱗が見えていたと思いました
脇役と言えば個人的に最高だなと思ったのが銃の売人(EasyAndy)。立て板に水のごとき淀みない商品説明✨銃の商談がまとまると畳み掛けるようにドラッグやキャデラック(権利付き❤笑)を勧めてくる様がやり手だなあと
大都会では40年前で既にお金さへあれば手に入らないものはないんだなと田舎に住んでいる私は思った(笑)
いやー私知りませんでしたがこのEasyAndy役の人は昔スコセッシのルームメイトだったそうで昔スコセッシが撮った彼のドキュメンタリー映画があるのですね
未完でリリースもされず長い間スコセッシの「失なわれたフィルム」としてカルト作品だったそうで
それを30年後に違う人が完成させたらしい
因みにスティーブン・プリンスさんという人ですが何でもこのEasyAndy役が彼の代表作なのだとか
このドキュメンタリーは日本版DVDは無いようでしたがyoutubeに全編アップされていました。英語がよく分からないので言ってることは何となくしか分からないけどトラヴィスとの商談のシーンを振り返って当時を語るシーン他若かりし頃の映像と30年後のプリンスさんの姿がありました
流石に普通のおじさんになっていましたがドラッグ中毒だったそうなので生きていただけ良かったですね
こういう付随的なことを知れるのも映画の楽しみですよね
他に印象的だったシーンは(クライマックスの俯瞰映像以外では)トラヴィスがタクシードライバーの先輩に道端で相談するところ👀
この街を出て何かをしたいと言うトラヴィスに先輩は一体何ができるって言うんだ俺たちは負け犬なんだからと言い、それに対してトラヴィスは薄ら笑いをしながらそんな馬鹿げた話は初めて聞いたというあのシーンはとても象徴的だったなと
私はあれがトラヴィスの後の行動に繋がるきっかけになったのかもと思いました
因みに私が先輩だったなら本人の希望通り街を出ることを勧めます
それとトラヴィスが好きだった人と仕事中に再会するシーンで殆ど会話が無くお金をもらわず「それじゃ」の一言で別れるシーンが最高に良かった
いずれにしてもトラヴィスはもっと早くに精神科なり心療内科を受診するべきだったと思う
もしそうだったら映画にならないけどもしこういう人が実際にいるならなるべく早く病院に行きましょう
私が一つ気になったのはトラヴィスはきっと(絶対)政府に目をつけられたに違いないと
先日む『その男ゾルバ』を見たときもあの後ゾルバはどういう人生を送ったのかが気になったのだけれどトラヴィスのその後も気になる
今トラヴィスは65歳位だから生きているならどういうおじいさんになったのか何をやっているのか知りたかった
それと物凄く強烈だったのがサントラ👂

強烈すぎて私には息苦しかったが(映像よりも音にやられてしまった)作品にぴったりだったし時代を象徴していました
あのサントラが名作と言われる由縁の一つというのはよく分かります
又見たいかと言われれば見たくないけど(幸せな気持ちになる作品ではないので)良いものを見たなと思います
TV(BS)にて
★★★★★★★